ドラムへ余韻を足すとき、短い響きと長い響きでは音の重なり方が変わります。Logic ProのQuantec Room Simulatorで、同じフレーズのReverb Timeだけを変えてみました。
Quantec Room Simulatorとは?
Quantecのリバーブを使えるLogic Proの標準プラグインで、QRSとYardStickのモデルがあります。下ではQRSの音を聴けます。
約10秒のドラムで、QRS500msと2.0秒を比較
Reverb Timeを変えたドラムの響きを聴き比べてみてください。
Quantec OFF
QRS / Reverb Time500ms
QRS / Reverb Time2.0秒
| 共通項目 | 設定 |
|---|---|
| Model / Room Size | Quantec QRS / 10⁴m³ |
| Dry Level / Reverb Level | 0dB / −12dB |
| Reverb Delay / 1st Reflection Delay / Level | 1ms / 1ms / Mute |
| Reverb Low x / High x | LIN / 0.63x |
| Freeze / Enhance / AD/DA / Drive | OFF / OFF / OFF / 0dB |


基本操作:500msと2.0秒を比較する
Audio FXのReverb → Quantec Room Simulatorから挿入します。今回はQRSのRoom Sizeを10⁴m³に固定し、Reverb Timeを500msと2.0秒へ変更しました。Dry Levelは0dB、Reverb Levelは−12dBです。
Room Sizeの単位はm³です。Small/Mediumという選択肢や%表示へ読み替えず、実画面の値で確認します。掲載音源は演奏部分の9.6秒で、停止後の長いテールは含めていません。
Room SizeとReverb Time
Room Sizeを変えると、Reverb Timeで選べる範囲も変わります。まず空間の大きさを決め、それから響きを調整すると設定を追いやすくなります。
次の打音が鳴るまでの間に、響きがどう残るかを聴き比べてみてください。
低域・高域の響きと初期反射
Reverb Low xとReverb High xは、帯域による残響時間の乗数です。音量を直接カットするLow Cut/High Cutとは違う操作です。
Reverb Delayは残響の始まり、1st Reflection Delayと1st Reflection Levelは初期反射を調整します。今回は初期反射LevelをMuteにし、Delayはいずれも1msで固定しました。
Dry LevelとReverb Level
QRSでは原音・初期反射・残響の出力レベルを独立して調整できます。今回のDry0dB・Reverb−12dBはdB値です。Mix20%などの一つの比率へそのまま読み替えることはできません。
残響だけをEQしたい場合はAuxへ送り、Dry LevelをMuteにして、後段へEQを挿す方法があります。キックに合わせて残響を下げたい場合も、Auxの後段へサイドチェーンコンプレッサーを追加できます。
Freeze・Enhance・AD/DA
Freezeは残響を取り込んで保つ機能で、Addで追加し、Clearで取り込んだ音を消します。Enhanceは通常の残響とは異なる反射の効果を作り、オンにするとReverb Timeが使用できなくなります。
QRSにはAD/DA ConvertersとDriveもあります。
楽曲へ使うときの考え方
- まず短いReverb Timeから始め、音の隙間へ残したい余韻を探す。
- 低い音が重なるときはReverb Low xや残響の量を確認する。
- 設定を比較するときはRoom Sizeと出力レベルを固定する。
楽器別の固定値をそのまま当てはめず、自分の素材を聴きながら調整しましょう。
まとめ
QRSはRoom Size・Reverb Time・各出力レベルから始めると、操作と音の変化を追いやすくなります。500msと2.0秒を聴き、次の音へどれくらい余韻が重なってほしいか考えてみてください。
参照:Apple公式:QRSモデルのコントロール、Quantec Room Simulator。









