録音の音が途切れるところで、背景音や余韻をもう少し抑えたい。そんなときに使えるのがLogic ProのNoise Gateです。ただし、演奏中のノイズだけを選んで消す処理ではありません。まずはゲートが閉じる速さを、同じドラムで聴き比べてみましょう。

Noise Gateとは?基本原理を理解する

Gateモードは、信号がThresholdを下回ったときに音量を下げます。下げる量はReductionで指定するため、常に完全な無音へするわけではありません。演奏と同時に鳴るノイズは、ゲートが開いている間は残ります。

最初にThresholdを上げすぎると、残したい小さな音も切れます。ノイズと演奏を分けられる位置を、素材を聴きながら探すのが大事です。

約10秒のドラムで、Release10msと199.6msを比較

Releaseを変えたときの、音の切れ方を聴き比べてみてください。

Noise Gate OFF

Release10.0ms

Release199.6ms

共通項目設定
Mode / ThresholdGate / −20dB
Reduction / Hysteresis−40dB / −3.0dB
Attack / Hold / Lookahead3ms / 40ms / 0.0ms
Filter / Monitor / Side ChainOFF / OFF / なし
Noise Gateの実際の設定画面:Release10.0ms
Release10.0ms。
Noise Gateの実際の設定画面:Release199.6ms
Release199.6ms。

基本設定:Releaseを比較する

Audio FXのDynamics → Noise Gateから挿入します。今回の比較はGateモードでReleaseだけを変更。10msと199.6msで、ドラムの余韻や弱い音がどう変わるかを確認してみてください。

Threshold・Reduction・Hysteresis

Thresholdはゲートを開く基準の音量、Reductionは閉じたときに下げる量です。今回のReductionは−40dB。Ratioで伸張率を指定するExpanderとは別の操作です。

Hysteresisは開くしきい値と閉じるしきい値の差です。Logicでは負のdB値で表示されます。今回のThreshold−20dB・Hysteresis−3dBなら、閉じる基準は−23dB側になります。しきい値付近で細かく開閉する場合に調整します。

Attack・Hold・Release・Lookahead

  • Attack:しきい値を超えてから完全に開くまでの時間です。
  • Hold:しきい値を下回ってから、開いた状態を保つ時間です。
  • Release:最大の減衰量へ達するまでの時間です。短いと余韻が急に切れやすくなります。
  • Lookahead:信号を先読みしてピークへ反応しやすくします。

打音が欠けるときはThresholdとAttack、余韻が切れすぎるときはHoldとReleaseを順に確認します。

サイドチェーンフィルター

Filterをオンにすると、検出に使う信号をHigh CutoffとLow Cutoffで絞れます。CharacteristicsでBandpass/Band Rejectを選び、Monitorで検出信号を確認します。

このフィルターは検出用です。通常の出力音を直接EQするものではなく、高域を持ち上げるブーストEQでもありません。今回の音源はFilter・MonitorともOFFです。

GateとDuckerを使い分ける

Gateは低い信号を抑える用途、Duckerは制御信号に応じて音量を下げる用途で使います。外部信号を使う場合は、上部のSide Chainで選びます。

キックでベースを下げるような処理は、Gateモードを選ぶだけでは同じ動作になりません。目的に合わせてDuckerやコンプレッサーを選び、処理後の音を確認してください。

楽器に合わせた調整

ギターなら音の終わり、ボーカルなら小さな語尾、ドラムなら弱い打音も残せているか確認します。特定のThreshold値をすべての録音へ当てはめず、入力レベルに合わせて調整しましょう。

Releaseによるドラムの余韻の変化に注目してみてください。

Expanderとの違い

Logic標準のExpanderは、しきい値より上を伸張するタイプです。弱い音を閉じるNoise Gateと役割が違います。打音の形を調整したい場合はEnveloperも試せます。

まとめ

Thresholdで開閉する基準、Reductionで下げる量、Hold・Releaseで閉じ方を決めます。今回の2つのReleaseを聴き、余韻をどこまで残したいかを考えながら調整してみましょう。

参照:Apple公式:Noise Gate、Noise Gateの使い方。