EnVerbとは?残響の形を作れるリバーブ
普通にリバーブを足すだけでなく、響きが立ち上がる速さや、途中で保つ音量を変えてみたい。そんなときに使えるのがLogic ProのEnVerbです。残響の音量変化をエンベロープで調整できます。
Attack 20msと300msの音を聴き比べてみてください。
約10秒のドラムで、Attack20msと300msを比較
Attackを変えたドラムの音を聴き比べてみてください。
EnVerb OFF
Attack20ms
Attack300ms
| 共通項目 | 設定 |
|---|---|
| Dry Signal Delay / Predelay | 0ms / 10ms |
| Decay / Sustain | 100ms / 30% |
| Hold / Release | 100ms / 300ms |
| Density / Spread | 100% / 100% |
| Crossover / Low Freq Level / High Cut | 500Hz / 0.0dB / 5000Hz |
| Dry / Wet | 100% / 40% |


基本操作:Attackを比較する
Audio FXのReverb → EnVerbから挿入します。上のグラフで残響の形を調整できます。数値を確認したい場合はコントロール表示も使えます。
エンベロープの各パラメータ
- Attack:残響がピークへ達するまでの時間です。今回比較した値です。
- Decay:ピークからSustainの音量へ下がるまでの時間です。
- Sustain:保つ残響の音量です。%で指定します。
- Hold:Sustainの状態を保つ時間です。
- Release:その後に残響が消えるまでの時間です。
DecayとReleaseは役割が違います。残響の長さを変えたいときに、Decayだけを「全体の減衰時間」と考えないようにしましょう。
PredelayとDry Signal Delay
Predelayは残響のAttackが始まるまでの間隔です。Dry Signal Delayは原音自体を遅らせます。
原音を遅らせることで、残響と原音の前後関係を変える使い方もできます。ただしリズムへの影響があるため、通常の比較では0msから確認すると分かりやすいです。
残響の音色と広がりを調整する
Densityは密度、Spreadはステレオ幅を調整します。今回の設定はどちらも100%です。
Crossoverは低域と高域を分ける周波数、Low Freq Levelはその境界より下の残響の相対レベルです。High Cutは残響の高い成分を取り除きます。
低域の響きが重なる場合はLow Freq Levelを下げる方法や、別のEQを使う方法を試してみます。EnVerbのHigh Cutを、中高域を持ち上げるEQとして使うことはできません。
DryとWetを使い分ける
Dryは原音、Wetは残響の量です。
複数のトラックへ同じ残響を加えるなら、AuxへEnVerbを挿してSendで送ります。その場合はAuxのDryを0%にして原音が二重に混ざらないようにし、WetとSend量で調整します。
応用:ダッキングとレイヤー
原音が鳴っている間だけ残響を下げたい場合は、EnVerbを入れたAuxの後ろに別のコンプレッサーを置き、原音をサイドチェーンへ送る方法があります。EnVerbに内蔵のサイドチェーンコンプレッサーがある、という意味ではありません。
複数の残響を重ねる場合も、まず1つで形を決めてから追加すると調整しやすいです。音量が増えたことで効果を判断しないよう、原音と処理音を同じくらいの音量で聴いてみましょう。
響きが強すぎるときの確認
- WetまたはSend量を下げます。
- HoldやReleaseを短くして、次の音へ重なる量を確認します。
- Low Freq LevelやHigh Cutで残響の音色を調整します。
EnVerb単体にRoom/Hall/PlateのType選択やDiffusion、独立したLow Cutがあるわけではありません。別のリバーブの説明と混同せず、実際の画面の項目を確認してください。
ほかのリバーブとの使い分け
残響の形を作りたいならEnVerb、部屋のサイズや反射率を手早く調整したいならSilverVerbの比較が参考になります。インパルスレスポンスを使うSpace Designerも別の選択肢です。
まとめ
まずAttackを変え、その後でSustain・Hold・Releaseを調整してみましょう。残響の形と音色を分けて考えると、EnVerbの操作が分かりやすくなります。
参照:Apple公式:EnVerb。









