暖房を使う季節になると、アコギを出したままでよいのか、加湿したほうがよいのか迷いますね。
最初にしたいのは、ギターを置いている場所の湿度を測ることです。冬だからと一律に加湿せず、メーカーが案内する保管条件と、部屋・ケース内の湿度を見比べて対策を選びましょう。
アコギの湿度は何%を目安にする?
ヤマハとTakamineは、アコースティックギターの保管環境として湿度45〜55%を案内しています。ただ、すべてのギターで同じ数値が指定されているわけではありません。
たとえば、Deviserは50〜60%を目安にしています。数値の違いを無理に一つへまとめず、手持ちのギターの取扱説明書やメーカーの案内を優先してください。
出典:ヤマハの保管案内/Takamineのメンテナンス案内/Deviserの保管案内(2026年11月2日確認)
目安の範囲を少し外れた表示だけで、すぐ故障したと判断する必要はありません。まずは同じ場所で湿度の変化とギターの状態を見て、低い状態が続くのかを確かめたいですね。
買い足す前に、置き場所と湿度を確認する
暖房の風や直射日光を避ける
エアコンの風が直接当たる場所や、日差しで温度が変わる窓際は避けます。人には過ごしやすい暖房の効いた部屋でも、ギターには乾燥しすぎる場合があります。
ヤマハは直射日光やエアコンの直撃を避けるよう案内しています。Takamineも、冷暖房で乾燥過多になる場合があるとして、温湿度計の用意と必要に応じた加湿を勧めています。まず置き場所を変えるだけで対応できないか確認しましょう。
部屋で保管するか、ケースで保管するかを決める
スタンドに出しているなら、ギターを置く場所の湿度を測ります。ケースで保管するなら、ケース内に入る温湿度計で状態を確かめると、対策する場所が分かりやすくなります。
部屋の表示だけを見て、ケース内も同じ湿度だとは決めつけないようにしましょう。手持ちの温湿度計を使えるなら、まずそれで確認すれば十分です。
ケースは乾燥対策をする場所を絞れますが、しまうだけで適正な湿度になるわけではありません。Deviserも、乾燥しやすい冬にはハードケースでの保管を案内しています。
確認する順番
- メーカーの保管条件を読む
- 暖房の直風や直射日光を避ける
- 普段保管する部屋・ケース内の湿度を測る
- 乾燥が続く場合に、部屋用または楽器・ケース用の加湿方法を選ぶ
ケース用の調湿材を選ぶとき
ケースで保管し、湿度の変動を抑えたい場合には、楽器用の調湿材も候補になります。ただし、乾燥した楽器の湿度を戻す製品と、適正範囲を維持する製品は別です。
D’AddarioのHumidipakにはMaintain・Restore・Absorbがあります。公式案内では、Maintainはすでに45〜55%程度へ整った環境の維持用です。40%以下ならRestoreを先に使い、約50%になったらMaintainへ替える使い分けが示されています。
そのため、乾燥したケースへMaintainを入れればすぐ戻る、とは考えないほうがよいですね。すでにメーカーの推奨範囲で安定しているなら、加湿用品が不要な場合もあります。
出典:D’Addario公式・Humidipakの種類の選び方/Maintainの取扱ガイド(PDF)(2026年11月2日確認)
PW-HPK-01はMaintainのパックとポーチのキットです。ケース内の湿度が適正範囲にある方が、維持用として検討する製品です。部屋全体を加湿する用途ではなく、閉じたケース内で説明書どおりに使います。
なお、維持する湿度の表記は、公式製品ページ・取扱ガイドでは45〜50%、公式サポートでは45〜55%と差があります。購入時は同梱説明書と、手持ちのギターの推奨条件を確認してください。
初めて用意する場合は、交換パックだけの商品と取り違えないよう、型番とポーチの有無を確認してください。湿度計は別に用意し、購入前に手持ちのギターの推奨条件と合うかも確かめましょう。
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ビビりや割れが出ている場合は、加湿だけで直そうとしない
乾燥によって、表板やネックの状態が変わり、ビビりや割れなどにつながる場合があります。ただし、弦のビビりだけで乾燥が原因とは断定できません。
急に弾きにくくなった場合は、いつから変化したのか、保管場所の湿度はどうだったかをメモして、購入店やリペア店に相談してください。割れやブリッジの浮きがあるなら、加湿用品で修理できると考えず、楽器の状態を確認してもらいましょう。
加湿と修理は分けて考えましょう。ヤマハはブリッジが浮いている場合、無理に弦を張らず専門店へ相談するよう案内しています。湿度を整えることだけで、すでに起きた損傷が直るとは限りません。
まずは今日の保管場所と湿度を確認して、必要な対策を選んでみてください。機材を増やす前に、暖房の風が当たっていないか見直すところから始められます。








