エフェクターを追加したとき、手元の電源をそのまま使えるのか迷うことはありませんか。端子が入っても、電源の条件まで合っているとは限らないんですよね。
まず見るのは、電圧、DC/AC、極性、必要電流、端子サイズです。特に混同しやすいのがVとmA。電圧は機器の指定に合わせ、電流容量は機器が必要とする値を満たす、と分けて考えると確認しやすくなります。
ここではメーカーの公式資料をもとに、接続前にどこを読むかを整理します。掲載仕様は2026年10月13日確認時点です。
電源のラベルはINPUTではなくOUTPUTを読む
アダプターには、壁のコンセントから受け取るINPUTと、エフェクターへ供給するOUTPUTが書かれています。ペダル側の仕様と照合するのはOUTPUTの方です。
「ACアダプター」という呼び名だけで、ペダルに交流を供給するとは判断できません。出力がDC(直流)なのか、AC(交流)なのかを確認します。たとえばStrymon Ojaiのペダル用出力はDCで、AC入力を指定するペダルには対応しません。Strymon公式FAQ
| 確認する項目 | ペダル側で読む内容 | 電源側で合わせる条件 |
|---|---|---|
| 電圧 | 9V、12Vなどの指定 | 指定電圧・許容範囲に適合 |
| DC/AC | 直流か交流か | 同じ出力方式 |
| 極性 | センターマイナスなど | 同じ極性 |
| 必要電流 | 消費電流・推奨容量のmA | 必要量以上の供給能力 |
| 端子 | 径・形状・機種指定 | 対応するプラグ・ケーブル |
本体に全部の情報がなければ、取扱説明書やメーカーのサポートページで補います。読めない項目がある状態で、似た端子を試し挿しして決めない方がいいですね。
9Vと18Vは、mAの大小とは別の話
電源に18Vの出力があっても、9V指定のペダルへ自由に使えるわけではありません。高い電圧を使えるのは、その機種が対応するとメーカーが明記している場合です。
電圧を切り替えられるパワーサプライでは、ケーブルをつなぐ前に出力の設定も確認してください。Strymonも、電圧の不適合はペダルの故障につながり得ると説明しています。Strymon公式・電源の基礎
接続前の確認:「9Vなら全部同じ」ではありません。DC/AC、極性、端子も合わせて確認し、説明書に専用・指定アダプターの指示があれば、その指示を優先してください。
センターマイナスは記号の中央点から読む
極性は、プラグの中央と外側のどちらがプラスかを表します。センターマイナスは中央がマイナス、外側がプラスです。
ラベルの記号を見るときは、中央の点から延びた線が「-」につながるか、「+」につながるかをたどります。左右どちらにマイナスが印刷されているかだけで覚えると、別の配置で迷いやすくなりますね。極性記号の読み方:Strymon公式
センターマイナスの機種は多いものの、全製品が同じではありません。極性の違う電源は故障の原因になり得るため、ブランドや見た目で判断せず、機種ごとの記載を確認します。
100mAのペダルに500mAの電源は使える?
電圧・DC/AC・極性・端子などが適合していれば、電源の容量が大きいという理由だけで、500mAすべてがペダルへ流れるわけではありません。
StrymonはOjaiのFAQで、500mA未満を必要とする9V DCペダルも使え、機器は必要な電流を消費すると説明しています。つまり、mAは「大きいほど強い電圧になる」という数字ではないんです。Strymon公式FAQ
反対に、必要電流が300mAなのに、使う出力が100mAまでなら容量が足りません。機器の消費電流だけでなく、説明書に推奨する電源容量が書かれている場合は、そちらも確認してください。
実際の仕様を読む例として、BOSS DS-1の現行日本向け製品ページには消費電流10mAと記載されています。ただし、この数値をほかの歪みペダルや旧仕様へ一律に当てはめることはできません。BOSS DS-1公式仕様
複数台では「出力ごと」と「合計」を分ける
独立した複数出力を持つ電源では、まず接続する出力ひとつの容量を確認します。Ojaiの公式仕様は、9V DC・センターマイナスの出力が5つあり、それぞれ500mAです。製品全体の数字と、1出力の数字を混ぜないようにしたいところです。Strymon公式FAQ
一方、1つの出力から分岐して複数台へ供給するなら、各ペダルの必要電流を合計して、その出力や分岐ケーブルの条件に収まるか確認します。BOSS NS-2の説明書でも、対応する分岐接続では本機を含む消費電流の合計が、使うアダプターの最大出力電流を超えないよう指定されています。BOSS NS-2取扱説明書(PDF)
架空の計算例なら、30mA+80mA+250mAで合計360mAです。容量だけでなく、全台の電圧・極性・分岐接続の可否も合っていることが前提です。
この足し算で分かるのは電流容量の条件までです。ノイズが出ないことや、メーカーがその組み合わせを保証していることまでは分かりません。分岐を増やす前に電源・ペダル双方の説明書を確認してください。
手持ちのアダプターは型番まで確認する
「BOSSのPSAだから容量も同じ」とは限りません。Rolandの公式資料では、PSA-100/100G/100Pは200mA、PSA-100S/100S2は500mAと説明されています。Roland公式・PSAモデルごとの仕様差
手元のラベルで型番とOUTPUTを読み、必要なら該当世代の説明書へ戻るのが確実です。同じ9Vでも、電流容量や端子周りの形状まで一致するとは限りません。
手元に残すメモ:ペダルの機種名/指定電圧/DC・AC/極性/必要電流・推奨容量/端子/割り当てる電源出力。空欄がある機種は接続を保留し、メーカーへ確認しましょう。
新しい電源を買う前に、このメモと手持ちの電源を照合してみてください。条件を満たす指定アダプターがあれば、1台のためにパワーサプライを増やす必要はありません。ボード全体の配置や構成を考える段階では、エフェクターボードの組み方と実例も参考にしてもらえるかと思います。








