Logic Proで音量や音色の変化を付けるとき、「トラック」と「リージョン」のどちらにオートメーションを書けばよいか迷うことがあります。

曲の決まった位置で変化させたいならトラック、フレーズと一緒に変化を持ち運びたいならリージョンを目安にすると分かりやすいです。

ただ、トラックオートメーションも設定次第でリージョンと一緒に移動できます。「移動したら付いてきた」という動作だけでは、種類を見分けられないんですね。

違いは、カーブをどこに持たせるか

オートメーションは、音量やパン、プラグインのつまみなどを、再生位置に合わせて自動で変える機能です。その変化を表す線を、オートメーションカーブと呼びます。

トラックオートメーションはトラック全体を対象にします。例えば、サビに入ったところでギターの音量を少し上げる、曲の最後で音量を下げる、といった調整に向いています。

リージョンオートメーションは、個々のリージョンに持たせます。リージョンは、トラック上に置いたMIDIやオーディオのひとかたまりのことです。シンセのフレーズに合わせてフィルターを開くなど、そのフレーズとセットで扱いたい変化に向いています。

選ぶときの目安

  • サビやエンディングなど、曲の位置に合わせた調整 → トラック
  • フレーズをコピーした先でも同じ変化を使う → リージョン

これは用途の目安で、音量は必ずトラック、フィルターは必ずリージョンという決まりではありません。音量でも、同じフレーズごとに繰り返したい変化ならリージョンで扱う方法があります。

4小節のシンセフレーズで考える

例えば、4小節かけてシンセのフィルターを少しずつ開き、その4小節を別の場所でも使いたいとします。

リージョンオートメーションに書けば、リージョンを移動・コピーしたときに、カーブも一緒に移動・コピーされます。フレーズと音色の変化をまとめて扱いたい場合に分かりやすい方法ですね。

一方、曲の最後の8小節でトラックの音量を下げたいなら、曲の時間軸に合わせてトラックオートメーションを書くと整理しやすくなります。演奏するリージョンを差し替えても、同じ場所の音量変化を使いたい場合です。

Appleのトラックとリージョンのオートメーションの解説でも、適用範囲と移動・コピー時の違いが説明されています。

今どちらを表示しているか確認する

「ミックス」>「オートメーションを表示」を選び、対象トラックのカーブを表示します。

続いて、トラックヘッダの「オートメーション」ボタンで、トラックとリージョンを切り替えます。リージョン側を編集するときは、対象のリージョンも選んでおきましょう。

ここで注意したいのは、表示を切り替える操作と、データを変換する操作は別ということです。ボタンを切り替えただけで、書いてあるカーブがもう一方へ移るわけではありません。

1つのトラックに、両方のオートメーションが存在することもあります。書いたはずのカーブが見えないときは、消す前に表示する種類とパラメータを確認してみてください。

トラックのカーブも一緒に動く場合がある

トラックオートメーションには、「リージョンと一緒にトラックオートメーションを移動」という設定があります。

「Logic Pro」>「設定」>「オートメーション」で、リージョンを動かしたときの扱いを確認できます。

  • しない:リージョンを動かしても、トラックオートメーションは元の位置に残します。
  • 常に(Always):リージョンの範囲内にあるトラックオートメーションも移動します。
  • 確認:移動するかどうかをダイアログで確認します。

そのため、トラックオートメーションを「必ず元の位置に残る」と覚えると、設定が変わったときに混乱しやすくなります。動作の違いは、Appleの「オートメーション」設定の説明でも確認できます。

移動前の注意

曲の位置に残したい音量変化まで、リージョンと一緒に動かさないように設定を確認しましょう。「確認」を選ぶ場合は、表示されたダイアログの内容を見て判断してください。

書いたあとで種類を変えたいとき

すでにトラック側へ書いたカーブを、フレーズとセットにしたくなることもあります。その場合は、「ミックス」>「オートメーションを変換」から変換できます。

例えば、表示中のトラックオートメーションをリージョンへ変換する項目と、その逆の項目があります。「すべて」を変換する項目もあるので、まずは必要なカーブを表示し、対象を確かめてから操作するとよいですね。

表示を切り替えて確認するだけなら変換は不要です。リージョンを再録音すると、そのリージョンのオートメーションは失われる点にも注意してください。

同じフレーズを繰り返す編集では、MIDI自体を連動させるエイリアスと、独立したコピーの違いも関係してきます。こちらは別の記事で説明しています。

元のMIDIフレーズから二つの同じフレーズへつながり、一つだけ独立した変化を付ける概念イラスト
Logic ProのMIDIエイリアスとコピーの違い|同じフレーズをまとめて直す方法同じベースやドラムのフレーズを曲のあちこちに置いたあと、「ここの音を変えたい」となることはありませんか。コピーを一つずつ直すのは、少し手...

まずは「曲のこの場所で変えたいのか」「このフレーズに変化を付けたいのか」を決めると、書き込む先を選びやすくなります。

※Mac版Logic ProのAppleユーザガイド(確認時の表示は12.3)に基づく説明です。確認日:2026年10月29日。実機の操作画面や試聴音源による比較は掲載していません。