ギター用のシールドと、ヘッドホンのプラグ。形は似ていますが、金属部分の間にある黒い帯の数が違います。
TSは2極、TRSは3極のプラグです。ただし、TRSだから必ずステレオになるわけではありません。 同じ形のTRSでも、ヘッドホンでは左右の音、バランス接続のLINE端子ではモノラルの音を扱います。
ケーブルを選ぶときは、プラグの形とあわせて、つなぐ端子の用途を確認してみてください。
TSとTRSは黒い帯の数で見分ける
TSはTipとSleeve、TRSはTip・Ring・Sleeveの略です。これらはプラグの金属部分を指します。
| 項目 | TS | TRS |
|---|---|---|
| 接点 | 2極 | 3極 |
| 帯 | 1本 | 2本 |
| 用途 | ギター・ベースのシールド | ステレオヘッドホン、バランス対応のLINE接続 |
帯は黒いものが一般的ですが、TRSの「Ring」は黒い帯ではなく、その間の金属部分です。帯は金属の接点同士を絶縁しています。
外から見えるのはプラグの構造までです。ケーブル内部の配線や、差し込む機器がどの信号を扱うかまでは、見た目だけで決められません。
TRSのステレオ接続とバランス接続は何が違う?
ステレオ/モノラルは音声のチャンネル数、バランス/アンバランスは信号の伝送方式です。別の話として考えると整理しやすいですね。
一般的なステレオヘッドホンのTRS端子は、1本のケーブルで左と右の2チャンネルを扱います。
一方、バランス対応のTRS LINE端子は、1本でモノラル1チャンネルを扱います。左右のスピーカーへ別々に送る場合は、LとRそれぞれの接続が必要です。
TRSが1本ならステレオ、という判断はできません。 ヘッドホン端子なのか、バランス対応のLINE端子なのかを、説明書で確認しましょう。
バランス接続は外来ノイズに強い伝送方式ですが、出力側と入力側の両方が対応していることが条件です。一般的なギターのアンバランス出力にTRSケーブルを挿しても、それだけでバランス接続にはなりません。
ギター・スピーカー・ヘッドホンではこう選ぶ
一般的なギターからアンプやINST入力へ
通常のモノラル出力のエレキギターなら、楽器用のTSシールドを使います。TRSのほうが上位規格、という関係ではありません。
オーディオインターフェイスへ直接録音する場合は、ケーブルだけでなくINST/Hi-Zの設定も確認してください。入力の選び方はギター録音のHi-Z/INSTとLINE入力の違いで説明しています。
バランス対応のLINE出力からスピーカーへ
出力・入力ともにバランス対応の標準フォン端子なら、バランス接続用のTRSケーブルを選びます。L出力から左スピーカーへ1本、R出力から右スピーカーへ1本、という接続です。
入力がXLRのスピーカーなら、出力端子に合うTRS–XLRなどのケーブルが候補になります。端子形状に加え、両機器の対応方式も確認してください。
ステレオヘッドホンをつなぐとき
一般的なステレオヘッドホンはTRSプラグを使います。3.5mmから6.35mmへ変換する場合も、ステレオ対応のTRS変換アダプターを選びます。
例えばScarlett 2i2第4世代では、LINE/INST入力はモノラル、ヘッドホン出力はステレオです。同じTRSが使える端子でも、役割が違います。
出典:Focusrite「Scarlett 2i2第4世代のハードウェア機能」
ヘッドホン出力をLINE入力1つに挿してもステレオ録音にはならない
ステレオのヘッドホン出力と、モノラルのバランスLINE入力は、TRSの形が同じでも用途が違います。TRSケーブル1本でつないでも、左右の音を別々に録音できません。
ステレオ出力を録音したい場合は、出力機器の説明書で接続方法を確認します。左右に分かれたLINE出力があるなら、オーディオインターフェイスの2つのLINE入力へそれぞれ接続します。
ヘッドホン出力しかない機器では、TRSから左右のTSへ分けるケーブルが候補になります。ただし、機器が推奨する配線と入力レベルを先に確認してください。
出典:Focusrite「マイク・ライン・楽器レベルの違い」、Line 6のTRS/Yケーブル解説
コントロール端子も別扱いです。 TRSはエクスプレッションペダルやフットスイッチにも使われます。音声用と同じ形でも、必要な配線・極性は機器ごとに確認してください。
買い足す前に、説明書の端子欄で「LINE」「PHONES」「BALANCED」「L/R」を探してみてください。どこからどこへ、何チャンネル送るかが分かれば、ケーブルの種類と本数を選びやすくなります。
※公式資料の確認日:2026年10月15日。接続方式の説明であり、掲載機器の実機テストや音質比較は行っていません。アイキャッチはプラグの違いを表したAI生成イラストです。









