ドラムの音色を、普通のEQとは少し違う方法で変えてみたい。そんなときに試せるのがEVOC 20 Filterbankです。今回はFormant Shiftの違いを、同じフレーズで聴き比べてみましょう。

EVOC 20 Filterbankとは?

入力音を2つのフィルターバンクへ並列に通すエフェクトです。各バンクでは最大20の帯域を調整でき、AとBの間をクロスフェードできます。

EVOC 20 Filterbankと、EVOC 20 TrackOscillator・EVOC 20 PolySynthは別のプラグインです。Filterbankには、ボコーダーのモジュレーター/キャリアを設定するSignalモードや、内蔵音源を演奏する手順はありません。

約10秒のドラムで、Formant Shift0.00と0.80を比較

Formant Shift 0.00と0.80の音を聴き比べてみてください。

EVOC 20 Filterbank OFF

Formant Shift0.00

Formant Shift0.80

共通項目設定
Bands / Low・High Frequency / Resonance20 / 80Hz・8000Hz / 2.00
Boost A / Boost B / Level A<>B0dB / 0dB / 48%
LFO → Formant / LFO → Xfade0 / 0
Stereo Mode / Stereo / Output LevelStereo/Stereo / 5.00 / 0dB
Distortion / 帯域フェーダーOFF / 初期設定のまま固定
EVOC 20 Filterbankの実際の設定画面:Formant Shift0.00
Formant Shift0.00。
EVOC 20 Filterbankの実際の設定画面:Formant Shift0.80
Formant Shift0.80。

基本操作:Formant Shiftを比較する

Audio FXのFilter → EVOC 20 Filterbankから挿入します。

打音の明るさや帯域のバランスを聴き比べてみてください。

帯域フェーダー・Formant Shift・Resonance

AとBの帯域フェーダーで、それぞれの帯域の量を調整します。

Formant Shiftは両バンクの帯域を周波数スペクトル上で移動します。Resonanceは帯域の中心付近の強調を変える項目です。

Low Frequency/High Frequencyで処理する範囲を設定します。今回は80Hz〜8000Hzです。Bandsは各バンクの帯域数で、20を使用しました。

AとBのクロスフェード

Fade ABはフィルターバンクAとBの間のクロスフェードです。コントロール表示ではLevel A<>Bとなります。原音と処理音のWet/Dry Mixではありません。

Boost A/Boost Bではバンクごとの量を補正できます。フィルターの設定を比較する際は、クロスフェード位置やBoostを途中で変えないと違いを追いやすくなります。

2つのLFO

Shift LFOはFormant Shiftを、Fade LFOはAとBのクロスフェードを変調します。それぞれRate・波形・強度を調整します。

今回はLFO → Formant、LFO → Xfadeとも0なので、周期的な変調は使っていません。テンポに合わせた音色変化が欲しい場合は、固定設定で違いを確認してから強度を少しずつ上げてみてください。

ステレオと出力

Stereo Modeは入出力方式、Stereoは帯域出力のステレオへの配分、Output Levelは出力音量を調整します。今回はStereo/Stereo・Stereo5.00・Output0dBです。DistortionはOFFにしています。

スネア・ハイハット・低い音のバランスへ注目してみてください。

使い方を広げるなら

  • ドラムの帯域バランスを変え、曲の導入やブレイクへ使う。
  • AとBで違うカーブを作り、クロスフェードで音色を移す。
  • LFOの強度を上げ、テンポに合わせて色合いを変える。

ボコーダーの声を作りたい場合は、目的に対応した別のEVOCプラグインを使います。

まとめ

まず帯域カーブとA/Bのバランスを決め、Formant Shiftだけを動かすと効果を確認しやすくなります。今回の0.00と0.80を聴き、自分の素材のどの帯域を残したいか考えてみてください。

参照:Apple公式:EVOC 20 Filterbankの概要、Formant Filter、モジュレーション。