ステレオのピアノやパッドが広がりすぎるとき、左右の幅だけを調整したいことがあります。Logic ProのDirection Mixerは、そんなときに使える標準エフェクトです。
まず通常のステレオ素材をLRで受け、Spreadを動かすところから試してみましょう。ここでは同じピアノを使い、幅を残す・中央へまとめる・広げる、の3種類を用意しました。
Direction Mixerを追加する場所
Audio FXからImaging → Direction Mixerを選びます。
広がり比較には、左右差のある信号が必要です。同じ音が左右に入っているモノラル素材では、Spreadを上げても同じような広がりは得られません。コーラスやリバーブの前後、途中のモノラルプラグインにも気を付けたいですね。
同じピアノでSpreadを聴き比べる
Spread 1.00・0.00・2.00のピアノ比較
Spreadを変えたピアノを、ヘッドホンや左右のスピーカーで聴き比べてみてください。
元の幅:Spread 1.00
モノラル合成:Spread 0.00
広げる例:Spread 2.00



ステレオ幅を変えたピアノを聴き比べてみてください。
SpreadとDirectionの使い分け
LR入力ではSpread 1.00が元の幅、0.00が左右を合成したモノラルです。1より大きくすると幅を広げます。今回の2.00は違いを確認するための強い設定です。
Mix全体へ使うときは、広げた状態だけを聴いて決めず、元の幅と切り替えて確認してください。単体のピアノで良くても、歌やほかの楽器が入ると合う幅は変わります。
Directionはステレオベースの中心の向きを調整します。今回は0°に固定しました。LR入力では+90°で中心が左、−90°で右へ移動します。180°では左右が入れ替わります。一般的なバランスノブと同じ動きだと思って操作すると迷いやすいところです。
LRとMSを間違えない
通常のステレオファイルにはLRを使います。MSはMid/Sideとして記録・エンコードされた信号をデコードするときの入力モードです。普通のL/R音声でMSを選ぶだけでは、正しいMid/Side処理の準備になりません。
広げた後はモノラルでも確認する
広がりを増やすと、モノラル再生時の音色や音量が変わることがあります。Spread 0.00の音も聴いてみてください。
メーターの確認先
Direction Mixer自体にCorrelation Meterが付いているわけではありません。左右の相関を見たいときは、後段のMultiMeterなどと併用します。Spreadの数値だけでモノラル互換性を判断しないようにしてください。
Splitを使うと高域と低域を分けて調整できます。低域の幅を保ったまま高域だけを変える場合は、全帯域の比較とは別に確認したいですね。
揺れを加える例はEnsembleの試聴、周波数帯ごとに広がりを作る例はStereo Spreadの解説も参考にしてください。
仕様の参照:Apple公式:Direction Mixer。以下の音源と画面は、この解説用にLogicで用意したものです。









