王道進行とは?ヒット曲に隠された魔法のレシピ
「王道進行」という言葉を聞いたことがありますか? 音楽理論に詳しくない方でも、実は誰もが一度は耳にしたことがある、それが王道進行です。J-POPをはじめ、様々なジャンルのヒット曲で使われている、特定のコード進行パターンのことを指します。
特徴
- シンプルで覚えやすい
- 心地よい響きで、リスナーの心を掴みやすい
- 様々なメロディやアレンジに対応できる
なぜ「王道」と呼ばれるのでしょうか? それは、このコード進行が持つ普遍的な魅力にあります。人間の聴覚心理に自然に訴えかけるような、心地よく、安定感のある響きを持っているため、時代やジャンルを超えて愛され続けているのです。
王道進行の基本的な構成要素
王道進行は、主に以下の4つのコードで構成されます(キーがCメジャーの場合)。
- IV (Fメジャー)
- V (Gメジャー)
- VI (Am:Aマイナー)
- IV (Fメジャー)
もしくは
- IV (Fメジャー)
- V (Gメジャー)
- VI (Am:Aマイナー)
- V (Gメジャー)
これらのコードを順番に鳴らすだけで、どこか聴き覚えのある、親しみやすい響きが生まれます。これが王道進行の基本形です。
ポイント
キーがCメジャーの場合、IV-V-VIm-IV は F-G-Am-F、IV-V-VIm-Vは F-G-Am-Gとなります。キーが変わると、使用するコードも変わります。
王道進行の様々なバリエーション
基本形をマスターしたら、次はバリエーションに挑戦してみましょう。王道進行には、様々なバリエーションが存在します。
- カノン進行: IV-V-VIm-IIIm-IV-I-IV-V
- 小室進行: VIm-IV-I-V
- 丸の内サディスティック進行: VIm-IIIm-IV-I
これらのバリエーションは、基本形に少し変化を加えることで、曲に異なる雰囲気や展開を与えることができます。例えば、カノン進行は壮大で感動的な雰囲気を、小室進行は切なくも力強い雰囲気を作り出すことができます。
使用例
- カノン進行:パッヘルベルのカノン
- 小室進行:DEPARTURES / globe
DTMで王道進行を使いこなす!実践テクニック
ここからは、DTM(デスクトップミュージック)で王道進行を実際に曲作りに活用するためのテクニックを紹介します。
DAWのコードトラック機能を活用する
多くのDAWには、コードトラック機能が搭載されています。この機能を使うと、コードを指定するだけで、自動的に伴奏を作成してくれます。王道進行のコードを入力し、様々な楽器やリズムパターンを試してみましょう。
代表的なDAWのコードトラック機能:Studio Oneのコードトラックなど。
MIDIキーボードでコードを打ち込む
MIDIキーボードを使えば、より直感的にコードを打ち込むことができます。指一本でコードを鳴らせる機能を活用すれば、音楽理論に詳しくなくても簡単に王道進行を演奏できます。
メロディとアレンジで個性を出す
王道進行はあくまで土台です。その上に、オリジナルのメロディやアレンジを加えることで、あなただけの楽曲が完成します。様々なジャンルの音楽を参考に、自分なりの表現方法を探求してみましょう。
ベースラインを工夫する
ベースラインは、コード進行のルート音(一番低い音)を基本としつつ、経過音やリズムの工夫を加えることで、楽曲のグルーヴ感を高めることができます。
リズムパターンで変化をつける
同じコード進行でも、リズムパターンを変えるだけで、楽曲の印象は大きく変わります。ロック、ポップス、バラードなど、様々なジャンルのリズムパターンを試してみましょう。
ヒット曲を分析!王道進行が使われている楽曲例
実際に、どのような楽曲で王道進行が使われているのか、具体例を見ていきましょう。
- Official髭男dism – Pretender
- あいみょん – マリーゴールド
- King Gnu – 白日
これらの楽曲は、いずれも大ヒットを記録しましたが、王道進行をベースに、それぞれ独自のメロディやアレンジが加えられています。これらの楽曲を参考に、王道進行の使い方を研究してみましょう。
王道進行はあくまで「定番」であり、必ずしもすべてのヒット曲に使われているわけではありません。しかし、多くの人に親しまれやすいコード進行であることは間違いありません。
まとめ:王道進行をマスターして、あなただけのヒット曲を生み出そう!
王道進行は、音楽制作の初心者にとって、強力な武器となります。この記事で紹介したテクニックを参考に、王道進行をマスターし、あなただけのオリジナル楽曲を制作してみてください。そして、いつかあなたの楽曲が、多くの人々に愛されるヒット曲となることを願っています!