Stereo Delayで広がりを作るときは、まず左右の反復間隔を比べてみましょう。今回は同じドラムで、左右とも4分音符にした場合と、右だけ8分音符にした場合の音源を用意しました。
Stereo Delayの基本構造とパラメーター
トラックのAudio FXからDelay > Stereo Delayを選びます。左右のDelay Time・Feedback・Output Mixを別々に調整できるエフェクトです。
- Delay Time / Note:反復音の間隔。Tempo SyncをONにするとNoteで音符を選べます。
- Feedback:同じチャンネルへ戻す反復音の量です。
- Crossfeed:反復音を反対のチャンネルへ送る量です。
- Low Cut / High Cut:反復音の低域・高域をカットします。
- Input:それぞれのディレイへ入る信号を選びます。
- Output Mix:左右の原音と処理音のバランスを調整します。
今回の画像はコントロール表示です。Output MixはLeft Mix / Right Mix、Tempo SyncはBeat Syncとして表示されています。
RoutingとStereo Link
RoutingにはStraightやPing Pong L/Rなどがあります。選択すると内部の送り方が変わるので、時間やFeedbackも確認しましょう。Stereo Linkは左右を連動して調整する操作で、左右の値を同じにするボタンではありません。
音符とディレイ時間の関係
テンポが一定で4分音符を1拍とすると、4分音符の時間は60000 ÷ BPM(ms)です。100 BPMなら600ms、8分音符はその半分の300msになります。
| 音符 | 100 BPMでの時間 |
|---|---|
| 1/4 | 600ms |
| 1/8 | 300ms |
| 1/16 | 150ms |
Syncを使う場合はNoteから選べます。Deviationを変えるとグリッドからずれるため、正確な音符の比較では0%にしておきましょう。
約10秒のドラムで、左右の反復間隔を比較
右のNoteを変えたときの音を聴き比べてみてください。左右の違いはヘッドホンでも確認してみましょう。
Stereo Delay OFF
左1/4・右1/4(600ms / 600ms)
左1/4・右1/8(600ms / 300ms)
| 共通項目 | 設定 |
|---|---|
| Tempo Sync / Deviation L・R | ON / 0.00% |
| Feedback L・R | 35% |
| Crossfeed L→R・R→L | 0% |
| Output Mix L・R | 30% |
| Low Cut / High Cut L・R | 20 / 20000 Hz |
| Input L・R / Routing / Stereo Link | Left・Right / Straight / OFF |
| Feedback / Crossfeed Phase | 全てNormal |


Stereo Delayの基本的な使い方
- まずFeedbackとCrossfeedを低めにし、左右の時間を決める。
- Feedbackで反復音の残り方を調整する。
- Low Cut / High Cutで反復音の質感を整える。
- Output Mixで原音との量を合わせる。
- ソロを解除し、曲全体とモノラルでも確認する。
ドラムへの使用
スネアやハイハットに反復音を足すと、打音の間の聞こえ方が変わります。左右の時間を変える場合は、次のキックやスネアを邪魔していないか確認してください。
ギター・ボーカル・シンセへの使用
短いフレーズをループして、まず低いOutput Mixから反復音を足します。メロディの隙間を埋めたいのか、左右へ動きを付けたいのかで、時間とRoutingを選んでみてください。
応用するときのポイント
反復音に揺れを加えたい場合
Stereo Delayには独立したLFO Rate・Depth・Waveformはありません。揺れを付けたい場合は、Tape Delayなど、モジュレーションを備えたディレイを確認してください。
ダッキングディレイ
AuxにStereo Delayを挿して処理音だけを返し、後段のCompressorのサイドチェーンに原音を送る方法です。歌っている間だけ反復音を抑えるなど、原音との重なりを調整できます。Stereo Delayへサイドチェーンを直接設定する手順とは異なります。
まとめ
Stereo Delayは、左右の時間・Feedback・Crossfeed・Output Mixを順に調整すると扱いやすくなります。まず上の比較で右の間隔を変えた違いを確認し、その後、自分の曲に合う反復を探してみてください。









