DTM PR

Logic Pro付属プラグイン完全ガイド【前編】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

はじめに

Logic Proには100を超える高品質なプラグインが標準付属しており、これらだけでプロレベルの音楽制作が可能です。しかし、その豊富さゆえに「何をどう使えばいいのか分からない」という声も多く聞かれます。この記事では、Logic Pro付属プラグインの中でも特に重要なものを厳選し、実践的な使い方を詳しく解説します。

Logic Pro付属プラグインの全体像

カテゴリ別構成

  • EQ・フィルター:9種類
  • ダイナミクス:8種類
  • ディストーション:7種類
  • モジュレーション:12種類
  • ディレイ:6種類
  • リバーブ:5種類
  • イメージング:4種類
  • スペシャライズド:15種類以上

Logic Proプラグインの強み

  • 完全統合による安定性
  • 統一されたGUIデザイン
  • 最適化されたCPU効率
  • 定期的なアップデートとサポート
  • 他社製品に匹敵する音質

EQ・フィルター系プラグイン

1. Channel EQ(万能EQ)

  • 特徴
    • 8バンドパラメトリックEQ
    • 視覚的なアナライザー表示
    • High/Low Cut フィルター内蔵
    • 直感的なドラッグ操作
  • 実用的な設定例
    • ボーカル:80Hz以下カット、3kHz周辺+2dB
    • キック:60Hz+3dB、2kHz-2dB、5kHz+1dB
    • スネア:200Hz-1dB、5kHz+2dB
  • 使用のコツ
    • まず削る(減算)から始める
    • Qは狭くしすぎない
    • アナライザーを見ながら調整
  • 評価:★★★★★(必須)

 

Logic Pro:EQを使いこなしてサウンドを劇的に改善する方法音楽制作において、EQ(イコライザー)は最も重要なツールの1つです。 Logic Proに搭載されているEQは、その多機能性と高音...

 

2. Linear Phase EQ(マスタリング用EQ)

  • 特徴
    • 位相歪みなしのリニアフェーズEQ
    • マスタリング品質の音質
    • 30バンドのグラフィックEQモード
  • 使用場面
    • マスターバスでの最終調整
    • グループバスでのバランス調整
    • 位相が重要な楽器(ドラム等)
  • 注意点
    • レイテンシーが発生
    • CPU負荷が高い
    • 録音時には使用しない
  • 評価:★★★★☆

 

Logic Pro Linear Phase EQ徹底解説:位相ずれを最小限に、高品位な音作りを実現Logic Proに搭載されているLinear Phase EQは、その名の通り「リニアフェーズ(線形位相)」特性を持つイコライザーです...

 

3. Vintage EQ(ヴィンテージ感演出)

  • 特徴
    • 4つのヴィンテージEQモデル
    • アナログ的な音楽的変化
    • 自然な飽和感
  • モデル別特徴
    • American:パンチのあるアメリカンサウンド
    • British:温かみのあるブリティッシュサウンド
    • Vintage:クラシックなコンソールサウンド
    • Tube:真空管の温かみ
  • 評価:★★★★☆

 

温かみとパンチをプラス!Logic Pro Vintage Tube EQの使い方こんにちは!音楽制作の世界へようこそ。ブロガー兼WEBマーケター、そしてDTM愛好家の[あなたの名前]です。数あるDAWの中でも、Log...

 

ダイナミクス系プラグイン

1. Compressor(万能コンプレッサー)

  • 特徴
    • 8種類のコンプレッサーモデル
    • VCAからオプトまで幅広い特性
    • 視覚的なGRメーター
  • モデル別活用法
    • Platinum Digital:透明で正確な圧縮
    • Vintage VCA:パンチのあるドラムに最適
    • Vintage Opto:滑らかなボーカル圧縮
    • Vintage Tube:温かみのある質感
  • 実用設定例
    • ボーカル:Opto、Ratio 3:1、Attack Medium
    • ドラム:VCA、Ratio 4:1、Attack Fast
    • ベース:VCA、Ratio 6:1、Attack Slow
  • 評価:★★★★★

 

Logic Pro コンプレッサー徹底ガイド:7種類のモデルを使いこなし、楽器別最適設定でサウンドを極める!Logic Proには、音楽制作の強力な味方となる7種類のコンプレッサーモデルが搭載されています。これらのモデルは、それぞれ異なるハード...

2. Multipressor(マルチバンドコンプレッサー)

  • 特徴
    • 4バンドマルチバンド処理
    • 各バンド独立したコンプレッション
    • 周波数別ダイナミクス制御
  • 使用場面
    • マスタリングでの最終調整
    • ドラムバスの質感統一
    • 楽器の特定帯域制御
  • 設定のコツ
    • 軽めの設定から始める
    • 各バンドの境界周波数を調整
    • Solo機能で各バンドを確認
  • 評価:★★★★☆

 

Logic Pro Multipressor 徹底解説!使い方と音作りテクニックLogic ProのMultipressorは、その名の通りマルチバンドコンプレッサーです。1つの信号を複数の周波数帯域に分割し、それぞ...

 

3. DeEsser(ディエッサー)

  • 特徴
    • サ行・歯擦音の除去専用
    • 周波数とレベルの詳細制御
    • モニタリング機能付き
  • 設定手順
    1. Monitor で問題のある周波数を特定
    2. Frequency で対象周波数を設定
    3. Sensitivity で反応の強さを調整
    4. Strength で処理の強さを設定
  • 実用的な設定値
    • Frequency: 6-8kHz(男性)、8-12kHz(女性)
    • Sensitivity: 軽めから調整
    • Strength: 自然に聞こえる範囲で
  • 評価:★★★★★

 

Logic Pro「DeEsser 2」徹底解説!ボーカルの歯擦音を滑らかにするテクニック Logic Proに搭載されている「DeEsser 2」は、ボーカルトラックの耳障りな歯擦音(「サ行」などの高周波数帯域の強調さ...

サチュレーション・ディストーション系

1. Bitcrusher(ローファイ効果)

  • 特徴
    • ビット深度・サンプルレート削減
    • デジタルディストーション
    • ローファイ・チップチューン効果
  • パラメーター
    • Resolution:ビット深度(24-1bit)
    • Sample Rate:サンプリング周波数
    • Drive:歪みの強さ
  • 評価:★★★☆☆(特殊用途)

 

Logic Pro Bitcrusherの使い方と効果的な活用テクニックこんにちは!音楽ブロガー兼WEBマーケターの[あなたの名前]です。DTMの世界は日々進化しており、様々なDAWやプラグインが登場していま...

モジュレーション系プラグイン

1. ChromaVerb(モダンリバーブ)

  • 特徴
    • Logic Pro Xの新世代リバーブ
    • 14種類の高品質アルゴリズム
    • 直感的なコントロール
  • 主要アルゴリズム
    • Room:自然な部屋の響き
    • Hall:コンサートホール
    • Plate:クラシックなプレートリバーブ
    • Vocal:ボーカル専用調整
    • Ensemble:楽器アンサンブル向け
  • 実用設定例
    • ボーカル:Vocal、Size 40%、Mix 25%
    • ドラム:Room、Size 60%、Mix 30%
    • ピアノ:Hall、Size 80%、Mix 35%
  • 評価:★★★★★

 

Logic Pro ChromaVerb完全攻略ChromaVerbとは?:その魅力と基本機能 Logic Pro Xに標準搭載されているChromaVerbは、単なるリバーブエフェ...

2. Chorus(コーラス効果)

  • 特徴
    • クラシックなコーラス効果
    • Intensity・Rate・Mix の3パラメーター
    • 軽量で使いやすい
  • 活用場面
    • エレキギターの厚み演出
    • シンセパッドの広がり
    • ボーカルの質感向上
  • 設定のコツ
    • Intensity: 20-40%程度(控えめに)
    • Rate: 楽曲のテンポと合わせる
    • Mix: 楽器に応じて調整
  • 評価:★★★☆☆

 

Logic Pro付属コーラス徹底活用ガイド!基本から音作りまで網羅はじめに:Logic Pro Chorusとは? DTMにおいて、楽曲に彩りや深みを加えるエフェクトは数多く存在しますが、中でも「コー...

ディレイ系プラグイン

1. Echo(高機能ディレイ)

  • 特徴
    • 多機能なデジタルディレイ
    • ステレオディレイ対応
    • フィルター・モジュレーション内蔵
  • 主要パラメーター
    • Time:ディレイタイム
    • Feedback:リピート回数
    • Color:音色キャラクター
    • Modulation:揺らぎ効果
  • 実用設定例
    • ボーカル:1/8音符、Feedback 25%、Color Warm
    • ギターソロ:1/4音符、Feedback 35%、Modulation On
    • シンセ:1/16音符、Feedback 45%、Stereo Wide
  • 評価:★★★★☆

 

Logic Pro Echo完全攻略!サウンドを劇的に変える使い方と創造的な使用例Logic Pro Echo完全攻略!サウンドを劇的に変える使い方と創造的な使用例 Logic ProのEchoは、単なるディレイエフ...

2. Tape Delay(アナログディレイ)

  • 特徴
    • テープエコーの質感再現
    • ワウ・フラッター効果
    • 温かみのあるサウンド
  • 使用場面
    • ヴィンテージサウンド演出
    • ギターソロの装飾
    • ダブ・レゲエ効果
  • 評価:★★★★☆

 

Logic Pro Tape Delay 完全攻略:サウンドを劇的に変える使い方と活用例Logic Pro Tape Delay 完全攻略:サウンドを劇的に変える使い方と活用例 Logic ProのTape Delayは、...

実践的な使用例

ボーカル処理チェーン

  1. Channel EQ – 基本的な音色調整
  2. DeEsser – 歯擦音の除去
  3. Compressor (Vintage Opto) – 自然な圧縮
  4. ChromaVerb (Vocal) – 空間的な広がり
  5. Echo – 装飾的なディレイ効果

ドラムバス処理

  1. Channel EQ – 全体的な音色調整
  2. Compressor (Vintage VCA) – パンチの強化
  3. Multipressor – 帯域別ダイナミクス制御
  4. ChromaVerb (Room) – 自然な空間感

エレキギター処理

  1. Vintage EQ (American) – キャラクター付け
  2. Compressor (Vintage Tube) – 温かみのある圧縮
  3. Chorus – 厚みと広がり
  4. Tape Delay – ヴィンテージディレイ

プリセット活用術

効果的なプリセット使用法

  • スタート地点として活用
    • プリセットから微調整開始
    • 楽器・楽曲に合わせてカスタマイズ
    • 設定の学習材料として活用
  • 設定の保存・管理
    • カスタム設定の保存
    • プロジェクト別プリセット作成
    • 設定ファイルのバックアップ

おすすめプリセット(抜粋)

  • Channel EQ:”Vocal Air”、”Kick Punch”
  • Compressor:”Vocal Smooth”、”Drum Punch”
  • ChromaVerb:”Vocal Lush”、”Drum Room”

CPU効率化のコツ

パフォーマンス最適化

  • プラグインの使い分け
    • CPU負荷の軽いものを優先
    • 必要以上に高品質なものは避ける
    • バウンス・フリーズ機能の活用
  • バッファサイズ調整
    • 録音時:小さいバッファ(64-128)
    • ミックス時:大きいバッファ(256-512)
    • マスタリング時:最大バッファ(1024)

まとめ

Logic Pro付属プラグインは、高品質でありながら統合性に優れ、プロフェッショナルな音楽制作に十分対応できる性能を持っています。前編では、基本的なEQ、ダイナミクス、モジュレーション系プラグインを中心に解説しました。

前編のポイント

  • Channel EQ:すべての処理の基本となる万能EQ
  • Compressor:8種類のモデルで幅広い用途に対応
  • ChromaVerb:現代的で高品質なリバーブ
  • DeEsser:ボーカル処理に必須のツール

後編では、シンセサイザー・楽器プラグイン、スペシャライズド系プラグイン、そしてより高度な活用テクニックをご紹介します。Logic Proの潜在能力を最大限に活用して、理想的なサウンドを実現してください。

🎯 初心者おすすめ学習順序

  1. Channel EQ – 基本的な音色調整をマスター
  2. Compressor – ダイナミクス制御の理解
  3. ChromaVerb – 空間系エフェクトの活用
  4. Echo/Tape Delay – ディレイ効果の使い分け
  5. DeEsser/Multipressor – 専門的な処理技術

この順序で学習することで、効率的にLogic Proの音響処理をマスターできます。

関連記事