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ファンク系コード進行:グルーヴィなリズムを生み出す10のパターン【ベース・ギター・キーボード対応】

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この記事で学べること

ファンク音楽で使われるグルーヴィなコード進行10選を詳しく解説します。シンコペーション、クロマチック進行、モーダルハーモニーなど、ファンクの核となるリズムとハーモニーの作り方を実践的に紹介します。

目次
  1. ファンク系コード進行が生み出すグルーヴの魔力
  2. 【1】ワンコード・ファンク – Em7の無限ループ
  3. 【2】クロマチック・スライド進行
  4. 【3】プリンス風Purple Rain進行
  5. 【4】ジェームス・ブラウン風ii-V進行
  6. 【5】ネオソウル・ファンク複雑進行
  7. 【6】P-Funk Parliament風宇宙的進行
  8. 【7】スラップベース・ファンク進行
  9. 【8】80年代エレクトロ・ファンク進行
  10. 【9】レッチリ風オルタナティブ・ファンク
  11. 【10】現代フューチャー・ファンク進行
  12. DTMでファンク系進行を効果的に制作する方法
  13. 楽曲構成でのファンク進行使い分け
  14. 実践例:本格ファンク楽曲構成
  15. まとめ:ファンク系コード進行でグルーヴを支配する

ファンク系コード進行が生み出すグルーヴの魔力

ファンク音楽の魅力は、強烈なグルーヴとシンコペーションにあります。ジェームス・ブラウンに始まり、プリンス、D’Angelo、そして現代のフューチャーファンクまで、ファンクは常に音楽界のリズムセクションに革命をもたらしてきました。

ファンク系コード進行の特徴
・シンコペーションによる複雑なリズムパターン
・クロマチック進行とスライドアプローチ
・モーダルハーモニーの効果的活用
・ベースラインとの密接な関係

今回は、本格的なファンクサウンドを作るための10の重要なコード進行パターンを、リズムアレンジとグルーヴ作りのテクニックとともに詳しく解説します。

ファンク音楽におけるコード進行の重要性

ファンクでコード進行が果たす役割:

  • グルーヴの土台:リズムセクション全体の統一感
  • テンションの創出:シンコペーションによる緊張と解放
  • ダンサビリティ:踊りたくなる身体的リズム感
  • モーダルアプローチ:従来の機能和声を超えた響き

【1】ワンコード・ファンク – Em7の無限ループ

コード構成
Em7 | Em7 | Em7 | Em7
(1つのコードでグルーヴを作る)

ワンコード・ファンクは、ファンクの最もエッセンシャルな形。1つのコードでいかにグルーヴを作るかがポイントです。

ワンコード・ファンクの魅力

  • Em7の安定感:マイナー7thの落ち着いた響き
  • リズムに集中:ハーモニーよりもグルーヴ重視
  • 楽器間の対話:ベース、ギター、ドラムの絡み合い
  • 催眠的効果:反復による瞑想的なグルーヴ

アレンジのポイント

ワンコード・ファンクの作り方

ベースライン:
・E-G-B-D のコードトーンを16分音符で
・シンコペーションとゴーストノート
・スライドアプローチの多用

ギターカッティング:
・Em7の様々なポジション
・ミュート奏法による歯切れの良さ
・ワウペダルによる音色変化

https://anikiblog.com/anison-chord-progressions-25-selection-2025

【2】クロマチック・スライド進行

コード構成
Gm7 → F#m7 → Fm7 → Em7
(半音下降によるスライド効果)

半音進行を活用した、ファンク特有のスムーズで流れるような進行です。

クロマチック進行の効果

スライド進行の特徴:

  1. Gm7→F#m7:半音下降の始まり、滑らかな移行
  2. F#m7→Fm7:さらなる半音下降、緊張感の増加
  3. Fm7→Em7:最終的な着地、解決感
  4. ベースライン:G-F#-F-E の明確な下降

実践での活用法

  • イントロ・アウトロ:印象的な導入・終結
  • ブリッジセクション:展開部での変化
  • ソロバック:楽器ソロの背景進行

【3】プリンス風Purple Rain進行

コード構成
Bb → F → Gm → Eb
bVII → IV → Vm → bIII
(キー:D、ミクソリディアン的響き)

プリンスが多用した、ミクソリディアンモードを活用したファンク・ロック進行です。

ミクソリディアン・ファンクの特徴

モーダルハーモニーの効果
・bVII(Bb)による独特の浮遊感
・機能和声を超えた色彩的響き
・ロックとファンクの融合
・プリンス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ的サウンド

楽曲での使用例
・Purple Rain(プリンス)
・Give It Away(RHCP)
・現代フューチャーファンク

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【4】ジェームス・ブラウン風ii-V進行

コード構成
Dm7 → G7 → Dm7 → G7
IIm7 → V7 → IIm7 → V7
(解決しないii-V、永続的なテンション)

ジェームス・ブラウンが確立した、解決しないii-V進行によるテンション維持の技法です。

解決しないii-Vの効果

  • 永続的緊張感:解決を避けることでドライブ感維持
  • ダンス適性:一定のテンションでダンサブル
  • モーダル指向:機能和声からの脱却
  • ループ適性:無限に繰り返し可能

ジェームス・ブラウン楽曲での活用例
・Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine
・Papa’s Got a Brand New Bag
・I Got You (I Feel Good)
・Cold Sweat

【5】ネオソウル・ファンク複雑進行

コード構成
F#m11 → B13 → Em9 → A13 → Dm9 → G13 → CM9
(現代的テンション・ファンク)

D’Angelo、Erykah Baduなどが確立した、現代的で洗練されたネオソウル・ファンクです。

ネオソウル・ファンクの革新性

現代ファンクの特徴

高度なテンション:
・11th、13thの美しい響き
・ジャズ理論の応用
・クラシカルなファンクとの融合

プロダクション技法:
・ローファイ処理による温かみ
・サンプリングとライブ演奏の融合
・アナログ機材による音作り

現代アーティストでの使用例

  • D’Angelo:Voodoo アルバム
  • Erykah Badu:Baduizm
  • Robert Glasper:ジャズ・ファンク融合
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【6】P-Funk Parliament風宇宙的進行

コード構成
Am7 → Dm7 → Am7 → Dm7 → F7 → Bb7 → Am7
(宇宙的で広がりのあるファンク)

George Clinton、Parliament-Funkadelicの宇宙的で実験的なファンクサウンドです。

P-Funkの特徴

宇宙的ファンクの要素:

  • 長いヴァンプ:同じ進行の延々とした反復
  • 楽器の重ね合わせ:多層的なアレンジ
  • エフェクト多用:フェイザー、フランジャー
  • 宇宙的世界観:SF的な音響処理

P-Funk楽曲の構成

  • 長尺性:10分を超えるヴァンプ構成
  • セクション分け:楽器ごとのフィーチャー部分
  • インタープレイ:ミュージシャン間の即興的対話

【7】スラップベース・ファンク進行

コード構成
E7 → A7 → E7 → A7 → D7 → A7 → E7
(ブルース・ファンク、スラップ重視)

スラップベースとの相性を最優先に考えた、パーカッシブなファンク進行です。

スラップベースとの関係

スラップ奏法の特徴
・thumb(親指)による打撃音
・pop(人差し指)による引っかき音
・デッドノート(ミュート)の活用
・16分音符の複雑なパターン

コード選択の理由
・E7の開放弦活用
・A7でのポジション移動
・D7による色彩変化
・ブルース・ファンクの伝統

【8】80年代エレクトロ・ファンク進行

コード構成
Cm7 → Fm7 → Bb7 → Ebmaj7 → Abmaj7 → Dm7b5 → G7 → Cm7
(シンセサイザー時代のファンク)

1980年代のシンセサイザー・ファンクで確立された、洗練されたエレクトロ・ファンクです。

80年代ファンクの特徴

  • Cm7スタート:マイナーファンクの深み
  • Fm7:サブドミナント・マイナーの効果
  • Bb7→Ebmaj7:明るい解決
  • Abmaj7:色彩的な響き
80年代エレクトロ・ファンク楽曲例
  • Herbie Hancock:Rockit
  • Cameo:Word Up!
  • Zapp & Roger:More Bounce to the Ounce
  • George Clinton:Atomic Dog
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【9】レッチリ風オルタナティブ・ファンク

コード構成
Am → F → C → G → Am → F → G → Am
(ロック・ファンク融合、ミクソリディアン活用)

Red Hot Chili Peppersが確立した、ロックとファンクを融合させた現代的アプローチです。

オルタナティブ・ファンクの特徴

ハーモニー面

  • シンプルなトライアド
  • ミクソリディアンの活用
  • モーダルインターチェンジ

リズム面

  • ロックドラムとファンクベース
  • ギターのカッティング重視
  • 高エネルギーのグルーヴ

【10】現代フューチャー・ファンク進行

コード構成
Dm9 → G13 → CM9 → F#ø7 → B7alt → Em11 → A13 → Dm9
(現代的で洗練されたフューチャー・ファンク)

現代のフューチャー・ファンクシーンで使われる、最先端のハーモニックアプローチです。

フューチャー・ファンクの革新性

現代ファンクの要素:

  • 高度なテンション:ジャズ理論の完全な習得
  • 電子音楽との融合:シンセサイザーとサンプリング
  • 日本のシティポップ影響:80年代日本音楽のリバイバル
  • ローファイ美学:意図的な音質劣化による温かみ

現代アーティスト例

  • Macross 82-99:シティポップ・ファンク
  • Yung Bae:フューチャー・ファンク
  • Night Tempo:日本シティポップ・リワーク
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DTMでファンク系進行を効果的に制作する方法

Logic Proでのファンク制作手順

Step 1: 基本設定
・BPM設定:100-120(クラシック・ファンク)
・拍子:4/4
・キー設定:Em, Am, Dm, Gmなどマイナー中心

Step 2: 音色選択
・ベース:Vintage Bass、Slap Bass
・ギター:Clean Funk、Wah Guitar
・キーボード:Vintage EP、Clavinet

Step 3: グルーヴ設定
・シャッフル感:微細なタイミング調整
・ベロシティ:強弱のダイナミクス
・シンコペーション:16分音符のずらし

楽器別ファンクアレンジのコツ

ベース

  • スラップ奏法の習得
  • ゴーストノートの効果的使用
  • シンコペーション重視

ギター

  • カッティング奏法
  • ワウペダルの活用
  • ミュート技法の習得

キーボード

  • クラビネットの特徴的サウンド
  • エレピのスタッカート奏法
  • オルガンのパーカッシブアタック

ドラム

  • リニアドラミング
  • ゴーストノート重視
  • タイトなスネアサウンド

楽曲構成でのファンク進行使い分け

グルーヴ重視セクション

推奨進行
・ワンコード・ファンク(Em7)
・解決しないii-V進行

特徴
・リズムに集中できる構造
・楽器間のインタープレイ
・ダンサブルなグルーヴ

メロディックセクション

推奨進行
・ネオソウル・ファンク複雑進行
・現代フューチャー・ファンク進行

特徴
・洗練されたハーモニー
・ボーカルとの美しい融合
・現代的なサウンド

エネルギッシュセクション

推奨進行
・P-Funk宇宙的進行
・レッチリ風オルタナティブ進行

特徴
・高エネルギーの維持
・観客の盛り上がり
・ライブでの効果絶大

DTMを始めるために必要なもの|最低限の機材とソフトウェアで始めよう!DTMを始めるにあたって、一体どんな機材やソフトが必要なのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 「高価な機材やソフトが必要な...

実践例:本格ファンク楽曲構成

クラシック・ファンク楽曲の構成例

【イントロ】(8小節)
ワンコード:Em7 | Em7 | Em7 | Em7

【Aセクション】(16小節)
解決しないii-V:Dm7 → G7 → Dm7 → G7

【Bセクション】(8小節)
クロマチック:Gm7 → F#m7 → Fm7 → Em7

【ソロセクション】(32小節)
P-Funk風:Am7 → Dm7 → Am7 → Dm7 → F7 → Bb7 → Am7

【ブリッジ】(8小節)
ネオソウル:F#m11 → B13 → Em9 → A13

【アウトロ】(16小節)
フューチャー・ファンク:Dm9 → G13 → CM9 → A13

まとめ:ファンク系コード進行でグルーヴを支配する

ファンク音楽におけるコード進行は、ハーモニーとリズムが完璧に融合した究極のグルーヴ音楽です。今回紹介した10のパターンを習得し、楽器間の相互作用を理解することで、人々を踊らせる強力なファンクサウンドを作ることができます。

ファンク制作のポイント:

  • グルーヴ最優先:ハーモニーよりもリズム感
  • 楽器間の対話:ベース、ギター、ドラムの絡み合い
  • シンコペーション:16分音符の複雑なパターン
  • モーダルアプローチ:機能和声を超えた響き
  • 現代的発展:クラシックから現代フューチャーまで

ぜひこれらのコード進行を参考に、あなただけのグルーヴィなファンクサウンドを作ってみてください。音楽の持つ身体的な力で、聴く人を踊らせる素晴らしい楽曲が生まれることを願っています。

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