「楽器が弾けない」「楽譜が読めない」「音楽の知識がまったくない」そんな状態からでもDTMは始められるのでしょうか?
答えは「YES」です!実際に、多くの人気楽曲が音楽経験ゼロから始めた人によって作られています。DTMは従来の音楽制作とは全く違うアプローチで、誰でも音楽を作ることができる革新的な手法です。
この記事では、音楽経験が全くない方でもDTMを始められるよう、ゼロから丁寧に解説していきます。
音楽経験ゼロでも大丈夫な理由
- 楽器演奏技術は不要(マウスとキーボードで制作可能)
- 楽譜が読めなくても直感的に作曲できる
- 音楽理論は後から学べば十分
- 現代のDAWソフトは初心者に優しい設計
DTMとは?音楽経験がなくても始められる理由
DTMの基本概念
DTM(Desktop Music)は、パソコンを使って音楽を作る手法です。従来の音楽制作とは根本的に異なる特徴があります。
従来の音楽制作 vs DTM
項目 | 従来の音楽制作 | DTM |
---|---|---|
必要スキル | 楽器演奏技術 | パソコン操作 |
楽譜 | 読み書き必須 | 不要(視覚的操作) |
音楽理論 | 事前学習が必要 | 作りながら学べる |
初期費用 | 楽器代(数十万円〜) | 3-5万円から始められる |
場所 | 防音室・スタジオ | 自宅で完結 |
なぜ音楽経験ゼロでも大丈夫なのか
DTMが初心者に優しい5つの理由
- 視覚的操作: 音符ではなく視覚的なブロックで作曲
- 試行錯誤が簡単: 元に戻す・やり直しが瞬時に可能
- 豊富な音源: 数千種類の楽器音が最初から用意
- 自動機能: リズムパターンやコード進行の自動生成
- 学習リソース: YouTubeやオンライン講座が充実
音楽経験ゼロからのDTMロードマップ
Phase 1: 環境構築(1週間目)
必要最小限の機材準備
超初心者セット(予算2-3万円)
- パソコン: 既存のPC/Macで開始(メモリ8GB以上推奨)
- DAWソフト: 無料版から開始(GarageBand/Reaper trial等)
- ヘッドホン: 密閉型3,000-8,000円程度
- オーディオI/F: 後回しでもOK(PC内蔵音響で開始可能)
最初にインストールすべきソフト
Mac使用者
- GarageBand: 無料・高機能
- Logic Pro: GarageBandに慣れたら(26,400円)
Windows使用者
- Reaper: 60日無料試用(その後7,150円)
- Studio One Prime: 無料版
- Cubase LE: 機材付属版を狙う
Phase 2: 基本操作習得(2-3週間目)
DAWソフトの基本操作を覚える
最初に覚える5つの操作
- トラック作成: 楽器別に分けて管理
- 音源読み込み: ピアノ、ドラム等の楽器を呼び出す
- 録音/再生: 基本的な操作
- 音符入力: マウスクリックで音符を配置
- 音量調整: 各楽器のバランス調整
初回作品:「きらきら星」を作ってみる
音楽経験ゼロの方には、誰でも知っている「きらきら星」のDTM版制作をおすすめします。
「きらきら星」DTM制作手順
- BPM設定: 120に設定(標準的なテンポ)
- ピアノトラック作成: メロディ用
- 音符配置: ド-ド-ソ-ソ-ラ-ラ-ソの順で配置
- 長さ調整: 各音符を適切な長さに調整
- 再生確認: メロディが正しく流れるか確認
Phase 3: 音楽の基礎理解(1ヶ月目)
DTMしながら覚える音楽理論
音楽経験ゼロの方は、理論を先に学ぶのではなく、作りながら覚えるアプローチが効果的です。
作りながら覚える音楽理論
1. 音の高さ(ドレミファソラシド)
- DAWの鍵盤表示で視覚的に理解
- 白鍵と黒鍵の違いを実際に聞いて覚える
2. リズム(4拍子の感覚)
- メトロノームに合わせて手拍子
- 4拍で1小節という基本単位を体感
3. コード(和音)の基本
- C-F-G-Cという簡単な進行を作ってみる
- 明るく聞こえる(メジャー)と暗く聞こえる(マイナー)の違い
Phase 4: 本格制作への準備(2ヶ月目)
ジャンル別アプローチの選択
音楽経験ゼロの方におすすめのジャンルと、その理由をご紹介します。
初心者におすすめジャンル
- ポップス: 構造が分かりやすい
- アンビエント: 音楽理論の知識が少なくてもOK
- Lo-Fi Hip Hop: シンプルな構成
- インストゥルメンタル: 歌詞を考える必要がない
避けた方が良いジャンル(最初は)
- ジャズ: 複雑な音楽理論が必要
- メタル: 楽器演奏の知識が必要
- クラシック: 楽譜読解能力が必要
- 歌モノ: 作詞・ボーカル録音が必要
音楽経験ゼロ特化:実践的制作テクニック
コード進行を覚えなくても使える「王道進行」
音楽理論を知らなくても、以下の「王道進行」をコピーするだけで、聞き心地の良い楽曲が作れます。
初心者向け王道コード進行(Key: C)
1. ベーシック進行
C – G – Am – F(多くのヒット曲で使用)
2. 切ない進行
Am – F – C – G(バラード系によく使用)</n
3. 明るい進行
C – F – G – C(シンプルで覚えやすい)
使い方
- 各コードを4拍ずつ(1小節ずつ)配置
- ピアノ音源で和音として配置
- この上にメロディを載せる
メロディ作りの簡単テクニック
音楽経験ゼロでもできるメロディ作成法
1. スケール内音符のみ使用
- Cメジャースケール(白鍵のみ)を使う
- C-D-E-F-G-A-B の7音だけでメロディ作成
- 外れた音が出ないので安心
2. コードトーン中心のメロディ
- Cコードの時はC-E-G の音を中心に使う
- コードが変わったら、そのコードの構成音を中心に
- 自然で美しいメロディができやすい
3. リズムパターンの活用
- 4拍の中で「タン-タタ-タン-ウン」のようなリズムを決める
- そのリズムに音程を当てはめる
- リズムが決まっていれば音程選択が簡単に
ドラムパターンの作り方
音楽経験ゼロの方でも使える、基本的なドラムパターンをご紹介します。
超基本ドラムパターン(4/4拍子)
パターン1: ベーシック
- キック: 1拍目、3拍目
- スネア: 2拍目、4拍目
- ハイハット: 全拍(8分音符刻み)
パターン2: ポップス系
- キック: 1拍目、2拍目ウラ、4拍目
- スネア: 2拍目、4拍目
- ハイハット: 全拍(16分音符刻み)
よくある初心者の悩みと解決法
「何から始めればいいかわからない」
解決法:30日チャレンジ
- 1-7日目: DAWソフトの基本操作習得
- 8-14日目: 既存楽曲のコード進行をコピー
- 15-21日目: 簡単なメロディ作成練習
- 22-28日目: ドラムパターン追加
- 29-30日目: 初めてのオリジナル楽曲完成
「作った曲がプロと全然違う」
現実的な期待値設定
- 1ヶ月目: 60秒の楽曲が完成すれば大成功
- 3ヶ月目: 楽器のバランスが取れた楽曲
- 6ヶ月目: 友人に聞かせられるレベル
- 1年目: 自分なりのスタイルが見えてくる
「音楽理論がわからない」
重要:理論は後回しでOK
音楽経験ゼロの方は、理論を先に学ぼうとすると挫折しやすいです。まずは感覚的に音を配置して、「なぜこの音の組み合わせが心地よいのか?」を後から理論で理解するアプローチがおすすめです。
無料リソースの活用法
学習に役立つ無料サイト・動画
音楽経験ゼロ向け無料学習リソース
YouTube チャンネル
- DTM初心者向け: 「○○のDTM講座」系チャンネル
- 楽曲分析: ヒット曲のコード進行解説動画
- DAW操作: 使用ソフト別のチュートリアル
無料音源・サンプル
- Freesound.org: 効果音・サンプル
- VSCO 2: 無料オーケストラ音源
- 各DAW付属音源: 最初は付属音源で十分
まとめ:音楽経験ゼロからの第一歩
音楽経験がゼロでも、DTMなら必ず音楽を作ることができます。大切なのは完璧を求めず、楽しみながら続けることです。
成功のための3つの心構え
- 完璧主義を捨てる: 最初は「それっぽい」レベルで十分
- 継続を重視: 毎日15分でも触り続ける
- 楽しさ優先: 理論より感覚、勉強より実践
あなたの中に眠っている音楽性を、DTMという手法で表現してみませんか?音楽経験ゼロからでも、素晴らしい楽曲を作ることは可能です。まずは最初の一歩を踏み出してみてください!


