この記事でわかること
- ボーカルレコーディングの基本セットアップ
- EQで不要な周波数をカットし、魅力を引き出す方法
- コンプレッサーでボーカルのダイナミクスを整える技術
- ディエッサーで歯擦音を自然に除去するテクニック
- リバーブとディレイで理想的な空間を作る方法
- Auto-TuneやMelodyneでピッチを自然に補正する手順
- 男性・女性・ラップボーカル別の設定の違い
ボーカルミックスの基礎知識
ボーカルミックスの目標
良いボーカルミックスは以下の特徴を持っています:
- クリアで明瞭な声 – 歌詞が聞き取りやすい
- 楽器とのバランス – ボーカルが埋もれず、突出しすぎない
- 自然なダイナミクス – 小さすぎず、大きすぎず、適度な抑揚
- 心地よい空間感 – リバーブ・ディレイで適切な奥行き
- 耳障りな要素がない – 歯擦音、リップノイズ、破裂音の処理
ボーカルミックスの工程
ボーカルミックスは以下の順序で行います:
- ゲイン調整 – 適切な録音レベルの確保
- ノイズ除去 – 不要なノイズのカット
- EQ – 周波数特性の調整
- ディエッサー – 歯擦音の除去
- コンプレッション – ダイナミクスの整理
- ピッチ補正 – 音程の修正(必要に応じて)
- 空間系エフェクト – リバーブ・ディレイの追加
- 最終調整 – 楽器とのバランス確認
プロのアドバイス
ボーカルミックスは「引き算」が基本です。不要な要素を取り除くことで、ボーカル本来の魅力が引き立ちます。過剰なエフェクトは避け、自然さを保つことを心がけましょう。
Step 1: レコーディングとゲイン調整
適切なレコーディングレベル
ボーカルミックスは、レコーディングの段階で決まると言っても過言ではありません。
推奨レベル:
- ピークレベル: -6dB 〜 -3dB
- 平均レベル: -12dB 〜 -10dB
- クリッピング: 絶対に避ける(0dBを超えない)
レコーディングチェックリスト
- マイクとの距離: 15-20cm(こぶし1個分)
- ポップガードの使用: 必須
- 防音・吸音対策: リフレクションフィルター推奨
- 部屋の静かさ: エアコン、PC冷却ファン等に注意
- モニター音量: 適度な音量で歌いやすく
ゲインステージング
録音後、ミックスに入る前にゲイン調整を行います。
Logic Proでの設定:
- トラックヘッダーのゲインノブで調整
- 目標: ピークが-6dB程度になるように
Cubaseでの設定:
- Pre-Gainプラグインを挿入
- または、トラックの入力ゲインで調整
Step 2: EQ(イコライザー)設定
EQの基本原則
ボーカルEQは「引き算」が基本です。不要な周波数をカットすることで、クリアで抜けの良いボーカルサウンドを作ります。
周波数帯域別の処理
ボーカルEQの黄金設定1. ローカット(ハイパスフィルター)
- 周波数: 80-100Hz
- スロープ: 12dB/oct または 18dB/oct
- 目的: 不要な超低域をカット、濁りを除去
2. 低域の調整(100-250Hz)
- 男性ボーカル: 150-200Hzを0〜+2dBブースト(温かみ)
- 女性ボーカル: 200-250Hzを-1〜-3dBカット(薄さの除去)
- Q値: 1.0〜2.0(中程度の幅)
3. ローミッドの処理(250-500Hz)
- 周波数: 300-400Hz付近
- ゲイン: -2〜-4dBカット
- 目的: 「こもり」「濁り」の除去
- Q値: 2.0〜3.0(やや狭い)
4. ミッドレンジ(500Hz-2kHz)
- 周波数: 1kHz付近
- ゲイン: -1〜-2dBカット(必要に応じて)
- 目的: 「鼻声」「硬さ」の軽減
5. プレゼンス(2kHz-6kHz)
- 周波数: 3-5kHz
- ゲイン: +1〜+3dBブースト
- 目的: 明瞭さ、存在感の向上
- Q値: 1.5〜2.5
6. ブリリアンス(6kHz以上)
- 周波数: 10-12kHz
- ゲイン: +1〜+2dBブースト(シェルビング)
- 目的: エアー感、煌びやかさの追加
声質別のEQ設定
男性ボーカル:
- 80Hz以下: ハイパスフィルター
- 150-200Hz: +1〜+2dB(温かみ)
- 300-400Hz: -2〜-3dB(濁り除去)
- 3-4kHz: +2〜+3dB(明瞭さ)
- 10kHz: +1dB(シェルビング、エアー感)
女性ボーカル:
- 100Hz以下: ハイパスフィルター
- 200-250Hz: -1〜-2dB(薄さ除去)
- 300-400Hz: -2〜-4dB(濁り除去)
- 4-6kHz: +2〜+4dB(明瞭さ、煌びやかさ)
- 12kHz: +2dB(シェルビング、エアー感)
ラップボーカル:
- 100Hz以下: ハイパスフィルター
- 200-300Hz: +2〜+3dB(パワー)
- 2-3kHz: +3〜+5dB(アタック、明瞭さ)
- 6-8kHz: -1〜-2dB(歯擦音対策)
EQのコツ
- ソロで聴かず、楽器と一緒に聴きながら調整
- ブーストよりもカットを優先
- 狭いQ値で問題周波数を特定、適度な幅でカット
- A/Bテスト(ON/OFF比較)を頻繁に行う
Step 3: ディエッサー設定
ディエッサーとは
ディエッサーは、「サ行」「シ行」などの歯擦音(しさつおん)を抑えるための専用コンプレッサーです。
歯擦音の周波数帯域:
- 男性ボーカル: 5-8kHz
- 女性ボーカル: 6-10kHz
- 子供・高い声: 8-12kHz
ディエッサーの設定手順
ディエッサー黄金設定Logic Pro標準ディエッサー:
- 周波数: 6-8kHz(女性は7-9kHz)
- スレッショルド: 歯擦音が発生したときにゲインリダクションが3-6dB程度
- リダクション: -6dB程度が目標
- Q値: Narrow(狭い)またはMedium
Cubase標準ディエッサー:
- Detection Frequency: 6-8kHz
- Threshold: 歯擦音でGRが3-6dB
- Ratio: 3:1 〜 5:1
- Release: Fast(速め)
おすすめディエッサープラグイン:
- FabFilter Pro-DS – 視覚的でわかりやすい
- Waves Renaissance DeEsser – 定番中の定番
- iZotope Nectar – ボーカル専用バンドル、ディエッサー内蔵
ディエッサー使用時の注意点
- かけすぎると不自然な「こもった」声になる
- 歯擦音が全くない状態は不自然(少し残す)
- サ行以外の子音にかからないよう周波数を調整
- ソロで確認し、楽器と一緒に最終確認
Step 4: コンプレッサー設定
コンプレッションの目的
ボーカルコンプレッションは、以下の目的で使用します:
- ダイナミクスの均一化 – 小さな音と大きな音の差を縮める
- ミックスでの安定 – 楽器に埋もれず、突出しすぎない
- 音圧の向上 – 全体的な音量感の向上
- 存在感の強調 – ボーカルの「前に出る」感じ
コンプレッサーの黄金設定
ボーカルコンプレッサー黄金設定基本設定(万能タイプ):
- スレッショルド: -12dB 〜 -8dB
- レシオ: 3:1 〜 4:1
- アタック: 10-30ms(中程度)
- リリース: 100-300ms(中〜やや遅め)
- ゲインリダクション: 3-6dB程度
- メイクアップゲイン: GRの分だけ補正
アグレッシブな設定(ポップス・ロック):
- スレッショルド: -15dB 〜 -10dB
- レシオ: 4:1 〜 6:1
- アタック: 5-15ms(速め)
- リリース: 50-150ms(速め)
- ゲインリダクション: 6-10dB
ナチュラルな設定(バラード・アコースティック):
- スレッショルド: -10dB 〜 -6dB
- レシオ: 2:1 〜 3:1
- アタック: 20-40ms(遅め)
- リリース: 200-400ms(遅め)
- ゲインリダクション: 2-4dB
パラレルコンプレッション
パラレルコンプレッション(ニューヨークコンプレッション)は、ボーカルの存在感を大幅に向上させる上級テクニックです。
設定手順:
- ボーカルトラックをコピー(またはAuxセンド)
- コピーしたトラックに強めのコンプをかける
- レシオ: 8:1 〜 10:1
- GR: 10-15dB
- アタック: 速め(3-10ms)
- 原音とコンプ音をミックス(コンプ音は20-40%程度)
コンプレッサータイプの選び方
VCAコンプレッサー:
- 特徴: 透明でクリーン、正確なコンプレッション
- 用途: 現代のポップス、EDM、クリアなボーカル
- 例: SSL Bus Compressor、API 2500エミュレーション
FETコンプレッサー:
- 特徴: 速いアタック、パンチのあるサウンド
- 用途: ロック、アグレッシブなボーカル
- 例: 1176エミュレーション(Universal Audio、Waves CLA-76)
Opticalコンプレッサー:
- 特徴: 滑らかで自然、ゆっくりしたレスポンス
- 用途: バラード、ジャズ、アコースティック
- 例: LA-2Aエミュレーション(Universal Audio、Waves CLA-2A)
Variable-Muコンプレッサー:
- 特徴: ビンテージな温かみ、倍音付加
- 用途: クラシック、ビンテージサウンド
- 例: Fairchild 670エミュレーション
Step 5: ピッチ補正
Auto-Tuneの使い方
Auto-Tuneは、ピッチ補正の定番ツールです。
リアルタイムモード(Auto Mode):
- キー(調)を設定(例: Cマイナー)
- Retune Speedを設定
- 速い(0-20ms): ロボットボイス効果
- 中程度(30-50ms): 自然な補正
- 遅い(60-100ms): 軽微な補正
- Humanizeを適度にオン(自然さを保つ)
グラフィックモード(Graph Mode):
- ボーカルを分析
- 音程の外れを手動で修正
- ビブラートの調整
- タイミングの微調整
Melodyneの使い方
Melodyneは、より精密なピッチ編集が可能なツールです。
基本操作:
- ボーカルトラックをMelodyneで開く
- 音程の外れたノートを選択
- ピッチツールで目標の音程にドラッグ
- ピッチモジュレーションツールでビブラートを調整
ピッチ補正のコツ
- 100%完璧に補正しない(人間らしさを残す)
- 表現豊かな部分(ビブラート、しゃくりなど)は触らない
- アタック部分の補正は控えめに
- 楽器と一緒に聴いて違和感がないか確認
Step 6: 空間系エフェクト
リバーブ設定
リバーブは、ボーカルに空間的な広がりと深みを与えます。
リバーブ黄金設定ポップス・ロック:
- タイプ: Plate Reverb
- リバーブタイム: 1.5-2.5秒
- プリディレイ: 30-60ms
- ミックス: 15-25%
- ダンプニング: 3-5kHz以上を軽減
バラード:
- タイプ: Hall Reverb
- リバーブタイム: 2.0-3.5秒
- プリディレイ: 50-80ms
- ミックス: 20-30%
アップテンポ・EDM:
- タイプ: Room Reverb
- リバーブタイム: 0.8-1.5秒
- プリディレイ: 20-40ms
- ミックス: 10-20%
プリディレイの重要性:
プリディレイは、ボーカルの明瞭さを保つために非常に重要です。30-60ms程度のプリディレイを設定することで、ボーカルがリバーブに埋もれず、前に出る印象を与えます。
ディレイ設定
ディレイは、リバーブと組み合わせて奥行きを作ります。
ディレイ黄金設定ステレオディレイ:
- タイミング: 1/8音符または1/4音符(楽曲のBPMに同期)
- フィードバック: 20-40%
- ミックス: 10-20%
- ハイカット: 5kHz以上を軽減
- ローカット: 200Hz以下をカット
スラップバックディレイ:
- タイミング: 60-120ms
- フィードバック: 0-10%(1回のみ)
- ミックス: 15-25%
- 目的: 厚みと存在感の追加
センドリバーブの使い方
リバーブは、インサートではなく「センド・リターン」で使用するのが一般的です。
Logic Proでの設定:
- Aux Track Bus 1を作成
- Auxトラックにリバーブプラグインを挿入
- ボーカルトラックのSend 1をBus 1に送る
- センドレベルで濃さを調整(-12dB 〜 -6dB程度)
メリット:
- 複数のトラックで同じリバーブを共有できる
- CPU負荷の軽減
- Dry/Wetを100%ウェットにして、センドレベルで調整可能
Step 7: 最終調整とバランシング
ボーカルレベルの設定
ボーカルレベルは、楽曲の印象を大きく左右します。
基本原則:
- ボーカルは常に最も目立つ要素
- 楽器に埋もれず、突出しすぎない
- フェーダーレベル: -6dB 〜 -3dB程度(マスターが0dBの場合)
レベルバランスの確認方法:
- 楽曲全体を聴きながらボーカルフェーダーを調整
- サビで歌詞がはっきり聞こえるか確認
- Aメロ・Bメロでも埋もれていないか確認
- 低音量で聴いてもボーカルが聞こえるか確認
オートメーション
ボーカルレベルのオートメーションは、プロのミックスに不可欠です。
オートメーションのポイント:
- Aメロ: やや控えめ(-1〜-2dB)
- Bメロ: 徐々に上げる
- サビ: 最も大きく
- ブリッジ: 状況に応じて調整
その他のオートメーション:
- リバーブセンドレベル(サビで深く、Aメロで浅く)
- ディレイフィードバック(特定のフレーズだけ)
- EQのゲイン(特定のフレーズで明瞭さを上げる)
ダブルトラック・ハーモニーの処理
ダブルトラック:
- メイントラックより3-6dB小さく
- パンニング: L30/R30 または L50/R50
- EQで200Hz以下をカット
- メイントラックより薄いリバーブ
ハーモニー:
- メイントラックより6-9dB小さく
- パンニング: 楽曲の構成に応じて
- EQで低域をさらにカット
- 独自のリバーブ設定も可
ボーカル別の設定まとめ
男性ボーカル
【EQ】
- ローカット: 80Hz
- 150-200Hz: +2dB(温かみ)
- 300-400Hz: -3dB(濁り除去)
- 3-4kHz: +3dB(明瞭さ)
- 10kHz: +1dB(エアー感)
【コンプレッサー】
- レシオ: 3:1 〜 4:1
- アタック: 15-25ms
- リリース: 150-250ms
- GR: 4-6dB
【ディエッサー】
- 周波数: 5-7kHz
- リダクション: 3-5dB
【リバーブ】
- Plate、1.5-2.5秒
- ミックス: 15-20%
女性ボーカル
【EQ】
- ローカット: 100Hz
- 200-250Hz: -2dB(薄さ除去)
- 300-400Hz: -4dB(濁り除去)
- 4-6kHz: +4dB(明瞭さ、煌びやかさ)
- 12kHz: +2dB(エアー感)
【コンプレッサー】
- レシオ: 3:1 〜 4:1
- アタック: 10-20ms
- リリース: 100-200ms
- GR: 3-5dB
【ディエッサー】
- 周波数: 6-9kHz
- リダクション: 4-6dB
【リバーブ】
- Plate、2.0-3.0秒
- ミックス: 20-25%
ラップボーカル
【EQ】
- ローカット: 100Hz
- 200-300Hz: +3dB(パワー)
- 2-3kHz: +5dB(アタック、明瞭さ)
- 6-8kHz: -2dB(歯擦音対策)
【コンプレッサー】
- レシオ: 4:1 〜 6:1(強め)
- アタック: 5-15ms(速め)
- リリース: 50-100ms(速め)
- GR: 6-10dB
【ディエッサー】
- 周波数: 6-8kHz
- リダクション: 5-8dB(強め)
【リバーブ】
- Room、0.8-1.5秒(短め)
- ミックス: 10-15%
おすすめボーカルプラグイン
オールインワンプラグイン
iZotope Nectar 4:
- ボーカル専用バンドル
- EQ、コンプ、ディエッサー、ピッチ補正、ハーモニー生成
- AIアシスト機能で初心者にも優しい
- 価格: 約25,000円
Waves Vocal Rider:
- ボーカルレベルの自動調整
- オートメーションの手間を大幅削減
- 価格: 約10,000円
Antares Auto-Tune Pro:
- ピッチ補正の定番
- リアルタイムモードとグラフィックモード
- 価格: 約50,000円
個別プラグイン
FabFilter Pro-Q 3(EQ):
- 視覚的でわかりやすい
- ダイナミックEQ機能
- 価格: 約20,000円
FabFilter Pro-C 2(コンプレッサー):
- 多彩なコンプレッサータイプ
- サイドチェイン機能
- 価格: 約20,000円
FabFilter Pro-DS(ディエッサー):
- 視覚的なディエッサー
- 精密な歯擦音コントロール
- 価格: 約15,000円
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Logic Pro、Cubase、Studio Oneなど、主要DAWの標準プラグインでも十分に高品質なボーカルミックスが可能です。まずはDAW付属のプラグインを使いこなし、必要に応じてサードパーティ製品を追加することをおすすめします。
まとめ:プロレベルのボーカルミックスを実現する10のポイント
- レコーディングが最重要 – 良い録音なしに良いミックスはない
- EQは引き算が基本 – 不要な周波数をカットして魅力を引き出す
- ディエッサーは歯擦音対策に必須 – 自然に聞こえる程度に抑える
- コンプレッサーでダイナミクスを整える – GR 3-6dBが目安
- ピッチ補正は控えめに – 人間らしさを保つ
- リバーブはセンドで使う – プリディレイで明瞭さを保つ
- ディレイで奥行きを作る – 楽曲のBPMに同期させる
- オートメーションで表現力を高める – セクションごとにレベル調整
- 声質別に設定を変える – 男性・女性・ラップで異なるアプローチ
- 楽器とのバランスを常に確認 – ソロで聴かず、全体で判断
次のステップこの記事で紹介した黄金設定は、あくまで出発点です。実際のボーカル録音は千差万別なので、自分の耳で聴きながら、楽曲に合った調整を行うことが重要です。
まずは基本設定から始めて、少しずつ自分なりのボーカルミックススタイルを確立していきましょう。何度も繰り返し練習することで、必ずプロレベルのボーカルサウンドが作れるようになります。
ボーカルミックスは、DTM制作の中で最も奥が深く、やりがいのある作業です。この記事で紹介したテクニックを一つひとつ実践し、自分の楽曲に最適な設定を見つけてください。
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