メタルギターの音作りは実はかなり奥が深いものになります
というのも、単に歪み量を増やせばそれはそれで、バンドサウンドに合わせると埋もれがちになってしまうからです
ということで、今回はメタルギターの音作りにフォーカスして解説していこうと思います
音作りの基本
まず前提として、音作りの基本からですが、
- ギター本体のセッティング(ピックアップ選び)
- アンプ
- エフェクター
- 本人の腕
の4つが大前提になります
このうち今回解説していくにが、アンプ、エフェクターになります
ギターに関しては、もちろんハムバッカー系のギターが一番望ましいですが、シングルコイルでもできないことは無いのですね!
現にイングヴェイ・マルムスティーンはあのハードな音なのにフェンダーのストラト(シングルコイル)なので、できないことは無いって感じです!(もちろんピックアップの種類が異なるというのもありますが、、)
他の技術に関しては、以下の記事で解説しているのでぜひご参考にしてください!
https://anikiblog.com/guitarsoundmake/
メタルギターのアンプの基本セッティングについて
バンドでスタジオ練習する際は、JC-120やマーシャルを使うことになることでしょうし、DTMであればそれなりにメタル系で使われるMesa Boogie Dual Rectifierなどになるかと思います
細かい音作りに関しては後述しますが、まずは全体を通して基本となるセッティングです
このセッティングをしてから自信のエフェクターや環境に応じてEQを調節していくようにします
- Drive:3〜6
- BASS:5
- Middle:4
- Treble: 6
- Presense: 4
- Volume: その場に合わせて
以上が基本的なセッティングになるかと思います
ほぼほぼフラットな状態にしているのですが、基本的には中音域を下げたドンシャリサウンド寄りにしてからエフェクターなどで付け足すといい感じになるかと思います
具体的なアンプの設定は以下の記事を参考にしてみてください
https://anikiblog.com/guitarsoundmake2/
バンドにおけるメタルギターの音作りとは
音作りにあたってシーンごとに分けて考えていこうかと思います
パターンとしては、バンドで合わせる時と、DTMでメタルギターを作る時です
まずはバンドで合わせる時について考えていきましょう
マルチエフェクターの場合
例えば、KemperやHelix、GT-1000のようにフロアタイプのマルチエフェクターを持っている場合は、結構わかりやすいかと思います
また、基本的にはアンプのRETUNに指して実機のアンプ側のEQは一切いじらないことが基本になります
メタルギターの音作りポイントしては以下になりますね
- Mesa Boogie Dual RectifierやPeaveyなどメタル特化しているアンプヘッドを選択
- キャビネットは、スタジオのアンプの種類によってはキャビネットシミュレーターはOFFにする
- TS系のオーバードライブやクリーンブースター系のエフェクターをアンプシミュレーターの前段に設置
- オーバードライブのエフェクターのさらに前にコンプレッサーを軽くかける
一つずつ解説していきます
Mesa Boogie Dual RectifierやPeaveyなどメタル特化しているアンプヘッドを選択
ここは割とそのままになるのですが、やはりメタルに特化したアンプを使うことで下手にEQをたくさんいじる必要が無いので、ここは無難にメタル用のアンプシミュレーターを選択しておくのがおすすめ
特にMesa Boogie Dual RectifierやPeavey、ENGL、SOLDANOなどは人気ですね
このあたりのアンプシミュレーターを選んでおけば間違いないでしょう
GT-1000の場合は、BOSSオリジナルのX-MODDEDなんかは汎用性高いのでおすすめ
この時、歪み量はなるべく抑えておきます
パワーコードを弾いた時に少し濁るくらいですね(クランチ気味と言った感じでしょうか)
後述しますが、ブースターをかますので、ここではDriveは抑えめにしておくことで音の輪郭が出るようになります
キャビネットは、スタジオのアンプの種類によってはキャビネットシミュレーターはOFFにする
これは一概に全てのスタジオで言えるわけではないのと、使うアンプシミュレーター自体に実機のアンプごとにOUT PUTを用意している場合なんかは、そういった機能を使えば良いです
例えば、GT-1000ではJC-120 RETURNやマーシャルのRETURNなどのOUTPUTが用意されているので、これを選択していれば結構いい感じになります
ただ、それでも例えば高音域が出過ぎたり、音がこもったようになってしまった場合なんかでは、マルチエフェクター側のキャビネットシミュレーターを全てOFFにすることで、スタジオのアンプから直接音を出すため、割と純粋な音が出たりします
実際にはスタジオのアンプの劣化具合などによっては、あまり有効では無いパターンもあるのですが、手法として知っておいて損はないかと思います
TS系のオーバードライブやクリーンブースター系のエフェクターをアンプシミュレーターの前段に設置
ここまでである程度アンプ側のセッティングが完了したので、ブースターをかまします
ここでのセッティングは以下のポイントになります
- Driveは0
- TONEは5〜7
- VolumeはMAX!
いわゆるブースターになるので、歪みは0でボリュームはMAXに、そしてTONEに関しては高音域のちょい足し感覚で7くらいまでは上げることがあります
オーバードライブのエフェクターのさらに前にコンプレッサーを軽くかける
これは賛否両論ですが、個人的にはコンプレッサーを軽くかますことで、音の粒を揃えることができるのでアリ派です
そもそも歪みをガッツリかけている時点でコンプレッサーのような役割は担っているものの、それでも音の粒にバラツキがあるので、これを整えるくらいですね
カッティングやクリーンの時弾くようなガッツリしたコンプではなく、「コンプ感無いな〜」くらいに薄く使うのがポイントになります
コンパクトエフェクターの場合
コンパクトエフェクターの場合は、アンプのセッティングが重要になります
JC-120でもマーシャルでもいいのですが、1点だけ注意するポイントとしては、BASSを若干下げ目にするとちょうどいい場合があります
抜けが悪いと感じた時点で、BASSを一度0まで下げて、そこからいい感じまで上げることをおすすめします
個人的な体感としては、3ぐらいまでしか上げないことが多いので、この辺を目安に音作りをしてみてください
コンパクトエフェクターでは以下のエフェクターはNGです
メタルゾーン
これだけはNGです笑
設定をミスらなければ使えないことも無いのですが、いかんせんクセが強いので万人向けでは無いです
それであれば素直にBOSSのディストーションを使っていた方がはるかに良い音が出ます
そのためメタルゾーン以外であれば、どの歪みエフェクターを使ってもOK!
一応、マルチエフェクター同様に前段にブースターとコンプレッサーをかませることができるのであれば、置いておくと便利です
またコンパクトエフェクターの音作りの詳細は以下の記事でも解説しています
https://anikiblog.com/guitarsoundmake3/
DTMにおけるメタルギターの音作りとは
ここからはアンプシミュレーター前提になります
とは言え、マルチエフェクターでも、コンパクトエフェクターでも話は同じなので大丈夫です
代表的なのは、BIAS AMPやAmplitubeなどですね
無料でもいくつか落ちているのと、最近ではGarageBandのようなDAWソフトで付属でついているアンプシミュレーターでも結構いい音が出るので、このあたりもオススメ
アンプの選び方
こちらはスタジオ練習と同じ内容になります
特にMesa Boogie Dual RectifierやPeavey、ENGL、SOLDANOなどのアンプを選ぶようにします
ただ、DTMは個人でMIXをすることになるので、ドラムやベース、シンセ、ピアノといった楽器の音域と被ることを考慮すると、高音域の抜けが良いアンプがベスト
そういった点ではPeaveyやSOLDANOは良いかもしれません
スピーカキャビネット
実はこれはDTM独特なものかもしれませんが、IRを使うことが前提になるかと思います
IRとはギターアンプの音をスピーカーキャビネットで出力し、マイクで録音されたサウンドを仮想的に再現するためのデータです
つまり、ざっくりいうと本物スピーカキャビネットが使えるというものです(雑)
これは、BIASアンプやAmplitubeなどのアンプシミュレーターを使った場合は特にですが、IRがほぼ必須になります
もちろん、それぞれのアンプシミュレーターのスピーカキャビネットでも良いのですが、何より抜けが悪いです
これはEQで無理やり調整しようにもできない問題でして、いわゆるメタルサウンドに近づけるためには、ここばかりは必須になります
ただし、KemperやHelix、GT-1000のようなマルチエフェクターの場合は既存のスピーカキャビネットでも十分戦えます
Kemperなんかはそのあたりが強いはずなので、むしろIRいらないくらいですね
オススメはUNIVERSAL AUDIOの【UAFX OX Stomp. Dynamic Speaker Emulator】です
スピーカキャビネットのマルチエフェクターのような立ち位置で、豊富なスピーカキャビネットと自信のアンプシミュレーターの音を劇的に変えてくれる代物です
詳しくはこちらの記事にまとめていますので、気になっている方はこちらをご参考にしてください
https://anikiblog.com/oxstomp_review/
EQを活用して、DTMならではのメタルサウンドにする
これはDTMならではですが、EQを使って100MHz付近をごっそりカットしたり、部分部分の高音域をブーストしたり、カットしたりすることでエッジを出すことが可能です
特にメタルサウンドでは、中音域を以下にカットしつつ、しかしカットし過ぎないかというのが重要になります
詳しくはこちらの記事でEQに関しては解説しているので、ご参考にしてください!
https://anikiblog.com/studioone-normalplugin/
基本的にはDAW付属のEQでも十分です
DTMでメタルギターの音がこもるとき
基本的にはBASSを下げるか、EQで120MHz付近までガッツリカットすることで、多少抜けが良くなることの方が多いです
それでも抜けが悪いとなると、アンプシミュレーターを変えるか、コンプレッサーのプラグインを差し込んで音圧を上げるなどの手法が欲しいところです
こちらは以下の記事でもまとめたので、ご参考にしてください
まとめ
いかがだったでしょうか?
メタルギターの音色を作るだけでも、工程が多いのと意外にも低音域の取り扱いに注意しないと抜けの悪い音になりがちなので、このあたりを気をつけて自分の耳を信じて音作りしてみてください!!