DTM(デスクトップミュージック)での作曲は、楽器の演奏経験がない人でも、自由な発想で音楽を創造できる素晴らしい手段です。しかし、より表現力豊かで深みのある楽曲を作るためには、音楽理論の基礎知識が不可欠です。この記事では、DTM作曲をレベルアップさせるための音楽理論の基礎を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
音楽理論とは? なぜDTM作曲に必要なのか
音楽理論とは、音楽の構造や仕組みを理解するための学問です。音の高さ、リズム、ハーモニー、メロディー、形式など、音楽を構成する要素を体系的に学びます。DTM作曲においては、音楽理論を理解することで、以下のようなメリットがあります。
音楽理論を学ぶメリット
- アイデアを具現化しやすくなる:頭の中で鳴っている音楽を、DAW上で再現するための道筋が見えてきます。
- 楽曲のクオリティが向上する:コード進行、メロディー、アレンジなど、音楽的な要素をより効果的に活用できます。
- 作曲の幅が広がる:様々なジャンルやスタイルの音楽に対応できるようになります。
- 他のミュージシャンとのコミュニケーションが円滑になる:共通言語を持つことで、意思疎通がスムーズになります。
音楽理論は、決して難しいものではありません。基本的な知識を身につけるだけでも、DTM作曲の可能性は大きく広がります。
音の基本:音名、音階(スケール)、音程
まずは、音楽を構成する最も基本的な要素である「音」について理解しましょう。
音名と音階(スケール)
音の高さは、音名で表されます。日本では「ハニホヘトイロハ」、英語圏では「CDEFGAB」が一般的に使われます。これらの音名を一定の規則で並べたものが音階(スケール)です。
使用例:Cメジャースケール(ハ長調)
ド(C)- レ(D)- ミ(E)- ファ(F)- ソ(G)- ラ(A)- シ(B)- ド(C)
最も基本的なスケールは、メジャースケール(長調)とマイナースケール(短調)です。メジャースケールは明るく、マイナースケールは暗い響きが特徴です。
音程
音程とは、2つの音の高さの隔たりのことです。「度」という単位で表され、基準となる音から数えて何番目の音かを示します。
使用例:Cを基準とした音程
- C – C:完全1度
- C – D:長2度
- C – E:長3度
- C – F:完全4度
- C – G:完全5度
- C – A:長6度
- C – B:長7度
- C – C(1オクターブ上):完全8度
音程には、長、短、完全、増、減などの種類があります。これらの音程を組み合わせることで、様々な響きを作り出すことができます。
リズムの基本:拍子、音符、休符
音楽は、時間的な流れの中で構成されます。その時間的な構造を理解するために、リズムの基本を学びましょう。
拍子
拍子とは、音楽のリズムの基本単位です。一定の周期で繰り返される「拍」のまとまりを、分数で表します。
使用例:代表的な拍子
- 4/4拍子:1小節に4分音符が4つ入る拍子。
- 3/4拍子:1小節に4分音符が3つ入る拍子。
- 6/8拍子:1小節に8分音符が6つ入る拍子。
拍子は、楽曲の雰囲気やグルーヴを大きく左右する重要な要素です。
音符と休符
音符は音の長さを、休符は音のない部分の長さを示します。音符と休符を組み合わせることで、様々なリズムパターンを作り出すことができます。
代表的な音符と休符
- 全音符、全休符
- 2分音符、2分休符
- 4分音符、4分休符
- 8分音符、8分休符
- 16分音符、16分休符
音符や休符に「付点」をつけると、元の長さの1.5倍になります。
コード(和音)の基本:トライアド、セブンスコード
複数の音が同時に鳴ることで、コード(和音)が生まれます。コードは、楽曲のハーモニー(響き)を形作る重要な要素です。
トライアド(三和音)
トライアドは、3つの音で構成される基本的なコードです。ルート(根音)から3度と5度の音を重ねて作られます。
使用例:Cメジャートライアド
ルート(C)- 長3度(E)- 完全5度(G)
トライアドには、メジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーギュメントの4種類があります。
セブンスコード(四和音)
セブンスコードは、トライアドに7度の音を加えた4つの音で構成されるコードです。トライアドよりも複雑で豊かな響きを持ちます。
使用例:Cメジャーセブンスコード
ルート(C)- 長3度(E)- 完全5度(G)- 長7度(B)
セブンスコードには、メジャーセブンス、マイナーセブンス、ドミナントセブンスなど、様々な種類があります。
コード進行の基本:ダイアトニックコード、ケーデンス
コードを一定の規則に基づいて並べることで、コード進行が生まれます。コード進行は、楽曲の展開や雰囲気を大きく左右します。
ダイアトニックコード
ダイアトニックコードとは、特定のスケールに含まれる音のみを使って作られるコードのことです。各スケールには、7つのダイアトニックコードが存在します。
使用例:Cメジャースケールのダイアトニックコード
- I:Cメジャー
- II:Dマイナー
- III:Eマイナー
- IV:Fメジャー
- V:Gメジャー
- VI:Aマイナー
- VII:Bディミニッシュ


ケーデンス
ケーデンスとは、コード進行における終止形のことです。楽曲の区切りや終止感を与える役割を持ちます。
代表的なケーデンス
- 完全終止(V – I):強い終止感
- 偽終止(V – VI):終止感を弱める
- 半終止(I – V):次に続く感じ
まとめ:音楽理論をDTM作曲に活かそう
この記事では、DTM作曲に必要な音楽理論の基礎知識を解説しました。今回紹介した内容は、ほんの入り口に過ぎませんが、これらの知識を身につけるだけでも、DTM作曲のレベルは確実にアップします。
ポイント
音楽理論は、DTM作曲の強力なツールです。基礎を理解し、実践で活用することで、より自由で創造的な音楽制作が可能になります。ぜひ、この記事を参考に、音楽理論の世界を探求してみてください。