教則系 PR

456進行の魅力:なぜ多くの楽曲で使われるのか

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

はじめに:感動を生み出す魔法のコード進行

「なぜあの曲のサビは心に響くのだろう?」

その答えの一つが、今回解説する「456進行」(IV-V-vi)です。アニソンやJ-POPで頻繁に使われるこの進行は、聴く人の心を掴む不思議な力を持っています。

456進行とは?
キーCの場合:F → G → Am
度数表記:IV → V → vi

この記事では、なぜ456進行が多くの楽曲で愛用されるのか、その音楽理論的な仕組みと実践的な使い方を、初心者から上級者まで理解できるよう解説します。

456進行の基本構造:なぜ心を動かすのか

1. 期待を裏切る「偽終止」の効果

456進行の最大の特徴は、「V → vi」という動きにあります。

通常の期待される進行

  • V(ドミナント)→ I(トニック):完全な解決感
  • 例:G → C(明るく完結)

456進行での動き

  • V(ドミナント)→ vi(サブドミナント):意外性のある着地
  • 例:G → Am(切なさを含んだ解決)

この「期待を裏切る」動きが、聴き手に感情的なインパクトを与えます。

2. 各コードの機能と役割

IV(サブドミナント)

• 展開を生み出す
• やや不安定
• 次への期待感

V(ドミナント)

• 緊張感の頂点
• 解決を求める
• エネルギーの蓄積

vi(サブメディアント)

• 意外な着地点
• 切なさの表現
• 新たな展開へ

実際の楽曲での使用例

アニソンでの456進行

「Rising Hope」での使用例

基本形:F → G → Am
発展形:FM7 → G → G/F → Em7 → E7/G# → Am

発展形では、以下の工夫が加えられています:

  1. FM7:メジャー7thによる洗練された響き
  2. G/F:ベースラインの滑らかな下降
  3. E7/G#:Amへの強い導音効果

ポイント
ベースラインの動き(F → G → F → E → G# → A)が、メロディーとは独立した対旋律として機能し、楽曲に立体感を与えています。

J-POPでの活用パターン

456進行は、特に以下のような場面で効果的です:

効果的な使用場面

  1. サビの盛り上がり部分:感情の高まりを表現
  2. Bメロからサビへの橋渡し:期待感の演出
  3. 間奏後の転換:新たな展開への導入

初心者向け:456進行の作り方

ステップ1:基本形をマスターする

まずは最もシンプルな形から始めましょう。

キーC での基本練習

| F    | G    | Am   | Am   |
  IV     V      vi     vi

各コードを2拍ずつ、ゆっくり弾いてみましょう。

ステップ2:リズムパターンを加える

おすすめリズムパターン

  • 8ビート:ポップスの定番
  • 16ビート:より細かい表現
  • アルペジオ:バラード向け

ステップ3:他のキーで練習

キーG の場合

C → D → Em

キーD の場合

G → A → Bm

中級者向け:456進行のアレンジテクニック

1. テンションコードの活用

基本の三和音に音を加えて、より豊かな響きを作ります。

テンションを加えた456進行

  • FM7G7sus4Am9
  • Fadd9G6Am7

2. ベースラインの工夫

効果的なベースライン例

コード: F    G    Am
ベース: F    G    G# → A

G#を経過音として使うことで、Amへの解決感が強まります。

3. リハーモナイゼーション

中級者向けTips
vi(Am)の代わりに I/vi(C/A)を使うと、より明るい印象になります。これは「偽終止感」を和らげる効果があります。

上級者向け:456進行の発展的使用法

1. モーダルインターチェンジとの組み合わせ

借用和音を使った456進行

Fm7(♭11) → G7alt → Am7♭5 → A♭M7

平行調や同主調から和音を借りることで、より複雑な感情表現が可能になります。

2. 拡張型456進行

8小節に拡張した例

| FM7   | FM7/E  | Dm7   | G7sus4 |
| Em7   | A7     | Dm7   | G7     |
| CM7   | C7     | FM7   | FM7    |
| G7    | G7/F   | Em7   | Am7    |

3. ジャンル別アプローチ

ジャズ風アレンジ

Fm7♭5 → G7♭13 → Am6/9
クロマチックな動きを強調

R&B風アレンジ

FM9 → G13 → Am11
豊かなテンションで都会的に

DTMでの456進行制作テクニック

MIDIプログラミングのコツ

ベロシティ設定の目安

  • IV(F):80-90(やや強め)
  • V(G):90-100(最も強く)
  • vi(Am):70-80(少し抑えて)

音色選びのポイント

おすすめ音源
• ピアノ:感情表現が豊か
• ストリングス:壮大さを演出
• シンセパッド:現代的なサウンド

456進行を使った作曲練習

練習課題1:8小節のコード進行を作る

基本構成

A: | I    | I    | vi   | vi   |
B: | IV   | V    | vi   | vi   |

Bセクションで456進行を使い、サビ感を演出します。

練習課題2:メロディーを乗せる

メロディー作成のヒント

  • IVの時:安定した音程から始める
  • Vの時:上昇する動きで緊張感を
  • viの時:解決しつつも余韻を残す

よくある間違いと対処法

初心者が陥りやすいミス

注意点
1. テンポが速すぎる:各コードの響きを味わえない
2. 音量バランスが悪い:ベースが聞こえない
3. 転回形を使わない:単調な響きになる

解決策

改善のポイント

  1. テンポ:BPM 70-90から始める
  2. ミックス:ベースを明瞭に
  3. ボイシング:第一転回形も活用

まとめ:456進行をマスターして表現の幅を広げよう

456進行は、シンプルながら奥深いコード進行です。

456進行マスターへの道

  • ✅ 基本形を完璧に弾けるようにする
  • ✅ 様々なキーで練習する
  • ✅ テンションやアレンジを加える
  • ✅ 実際の楽曲で使ってみる

この進行をマスターすることで、あなたの楽曲に「感動」という魔法をかけることができるでしょう。まずは基本形から始めて、徐々に自分なりのアレンジを加えていってください。

次のステップ
456進行をマスターしたら、「4536進行」や「2516進行」など、関連する進行も学んでみましょう。それぞれの進行の特徴を理解することで、より豊かな音楽表現が可能になります。

関連記事