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ミックスが変わる!DTMのEQ基本と楽器別サウンドメイク術

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こんにちは!音楽とDTMをこよなく愛するブロガー兼WEBマーケターです。皆さんはDTMでのミックス作業に悩んでいませんか?「音がこもる」「楽器同士がぶつかる」「迫力が出ない」…そんな悩みの多くは、EQ(イコライザー)を正しく理解し、使いこなすことで解決できます。

EQは音の周波数特性を調整するエフェクターであり、ミックスにおける最も基本的かつ重要なツールの一つです。しかし、その自由度の高さゆえに「どこをどういじれば良いのか分からない」と感じる方も少なくありません。

この記事では、DTM初心者の方から中級者の方に向けて、EQの基本的な知識から、楽器別の具体的なサウンドメイク術、さらには応用テクニックまで、あなたのミックスを劇的に向上させるためのEQ活用法を徹底解説します。今日から使える実践的なノウハウが満載ですので、ぜひ最後までお付き合いください!

EQとは?DTMにおける役割と基本操作

まずは、EQがどのようなもので、DTMにおいてどんな役割を果たすのか、基本的な部分から押さえていきましょう。

EQの基本的な考え方(周波数、ゲイン、Q)

EQは、音を構成する様々な高さの音(周波数)の中から、特定の周波数帯域を選び出し、その音量を上げたり(ブースト)、下げたり(カット)するエフェクターです。EQを操作する上で重要な3つのパラメーターがあります。

  • 周波数(Frequency): どの高さの音を調整するかを指定します。単位はHz(ヘルツ)で、数値が低いほど低い音、高いほど高い音を表します。人間が聞き取れる周波数帯域は、一般的に20Hz~20,000Hz(=20kHz)と言われています。
  • ゲイン(Gain): 指定した周波数の音量をどれだけ変化させるかを決めます。単位はdB(デシベル)で、プラスの値ならブースト、マイナスの値ならカットになります。
  • Q(Quality Factor / Bandwidth): 指定した周波数を中心に、どれくらいの範囲(帯域幅)に影響を与えるかを決めます。Q値が高いほど影響範囲は狭く(鋭く)なり、Q値が低いほど影響範囲は広く(緩やか)なります。

これらの3つのパラメーターを理解し、コントロールすることがEQを使いこなす第一歩です。

EQの種類

EQにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や使われ方が異なります。代表的なものをいくつか紹介します。

  • パラメトリックEQ(Parametric EQ): 周波数、ゲイン、Qの3つのパラメーターを自由に設定できる最も一般的なEQです。柔軟性が高く、細かい調整が可能なため、ミキシングで最もよく使われます。DAWに標準で付属しているEQの多くはこのタイプです。
  • シェルビングEQ(Shelving EQ): 指定した周波数を境にして、それより高い帯域(ハイシェルフ)または低い帯域(ローシェルフ)全体の音量を上げ下げします。特定の帯域をまとめて調整したい場合に便利です。
  • グラフィックEQ(Graphic EQ): 周波数帯域がいくつかのバンドに分割されており、各バンドごとにフェーダーでゲインを調整するタイプのEQです。直感的に操作しやすいのが特徴ですが、パラメトリックEQほど細かい調整はできません。
  • バンドパスフィルター/ノッチフィルター: 特定の周波数帯域のみを通したり(バンドパス)、特定の狭い周波数帯域だけを急峻にカットしたり(ノッチ)するフィルターです。特殊な効果や、特定のノイズ除去などに使われます。
  • ローカットフィルター/ハイカットフィルター(LPF/HPF): 指定した周波数より低い音域(ローカット/HPF)または高い音域(ハイカット/LPF)をカットするフィルターです。不要な帯域を整理するのに非常に役立ちます。

多くのDAW付属EQやプラグインEQは、これらの機能を組み合わせたものになっています。

EQを使う目的

EQを使う主な目的は以下の3つです。

  • 補正(Corrective EQ): 録音された音に含まれる不要な響きやノイズ、特定の周波数の過剰なピークなどをカットし、素材の音をよりクリアでバランスの取れた状態にします。例えば、部屋鳴りによる低音のこもりをカットしたり、マイクの特性によるピークを抑えたりします。
  • 強調(Creative/Tonal Shaping EQ): 特定の周波数帯域をブーストすることで、楽器の持つ美味しい部分を引き出したり、音色を積極的に変化させたりします。例えば、ボーカルのプレゼンス(存在感)を上げたり、キックドラムのアタック感を強調したりします。
  • 空間作り(Separation/Space Creation EQ): 各楽器の周波数的な棲み分けを行い、ミックス全体の中で各パートがクリアに聴こえるように整理します。楽器同士が同じような周波数帯域でぶつかっている(マスキング)場合に、一方をカットし、もう一方を目立たせるなどの処理を行います。

これらの目的を意識してEQを使うことで、より効果的なサウンドメイクが可能になります。

EQを使う上での心構えと注意点

EQは非常に強力なツールですが、使い方を誤ると逆効果になってしまうこともあります。効果的にEQを使うための心構えと注意点をいくつか紹介します。

まずは「カット」から考える

EQの基本は「不要な部分を取り除く」ことです。何かを足す(ブーストする)前に、まず問題となっている不要な周波数帯域をカットすることから始めましょう。例えば、「音がこもる」と感じたら、こもりの原因となっている中低域をカットしてみる。「高音が耳に痛い」と感じたら、その帯域をカットしてみる、といった具合です。カットを主体に考えることで、より自然でクリアなサウンドに近づけることが多く、ヘッドルーム(音量の余裕)も確保しやすくなります。

ソロで聞かず、ミックス全体で判断する

特定の楽器の音作りをする際、そのトラックだけをソロで聴いてEQを調整しがちですが、これは避けましょう。ソロで聴いて良い音に仕上がったとしても、他の楽器と混ざったときにうまく馴染まなかったり、逆に埋もれてしまったりすることがよくあります。EQ調整は、常に楽曲全体のミックスの中で、他の楽器とのバランスを確認しながら行いましょう。ソロで確認するのは、特定のノイズを探したり、細かい調整の確認をする場合に留めるのがおすすめです。

過度なブーストは避ける

特定の帯域を大幅にブーストすると、位相が乱れたり、不自然な音色になったりするリスクがあります。特に狭いQ値での大幅なブーストは、ピーキーで耳障りなサウンドになりがちです。ブーストする場合でも、できるだけ緩やかなQ値で、必要最小限の変化に留めることを心がけましょう。もし大幅なブーストが必要だと感じた場合は、録音段階や音源選びに問題がある可能性も考えてみてください。

位相の問題に注意する

EQ処理、特にアナログモデリングEQやリニアフェイズではないデジタルEQは、位相を変化させる可能性があります。位相の変化が大きくなると、特に低域などで音がぼやけたり、他のトラックとの干渉によって音が痩せてしまったりすることがあります。過度なEQ処理は位相問題を招きやすいので注意が必要です。必要に応じて、位相変化の少ないリニアフェイズEQの使用も検討しましょう。ただし、リニアフェイズEQはCPU負荷が高く、プリリンギングと呼ばれる別の問題が発生する可能性もあるため、使い分けが重要です。

【楽器別】EQ実践テクニック

ここからは、主要な楽器ごとに具体的なEQ処理のポイントと周波数帯域の目安を解説していきます。ただし、これらの数値はあくまで目安であり、楽曲のジャンル、使用する音源、目指すサウンドによって最適な処理は異なります。必ず自分の耳で判断しながら調整してください。

ボーカル

ボーカルは楽曲の主役であり、最も重要なパートです。EQを使って明瞭度を高め、他の楽器に埋もれないように処理しましょう。

使用例:

  • ローカット(HPF): マイクが拾ってしまう不要な低域ノイズ(空調音、足音、ポップノイズなど)や、近接効果による低音のこもりを除去します。男性ボーカルなら80Hz~100Hz、女性ボーカルなら100Hz~120Hzあたりを目安にカットします。オケと混ぜながら、声の芯が痩せないギリギリのポイントを探しましょう。
  • こもり・濁りのカット: 200Hz~500Hzあたりに、声のこもりや鼻詰まり感の原因となる帯域が存在することがあります。気になる場合は、Q値を少し狭めて該当箇所を探し、ピンポイントでカットします。
  • 明瞭度・抜けの向上: 1kHz~4kHzあたりは、言葉の明瞭度や声の「抜け」に影響する帯域です。少しブーストすることで、ボーカルが前面に出てきやすくなります。ただし、やりすぎるとキンキンした耳障りな音になるので注意が必要です。
  • 歯擦音(しさつおん)の処理: 「サ行」や「タ行」の発音時に目立つ、耳障りな高音(シビランス)は、5kHz~10kHzあたりに存在します。気になる場合は、ディエッサーを使うのが一般的ですが、EQでピンポイントにカットすることでも対応可能です。Q値を狭めてピークを探し、-3dB~-6dB程度カットします。
  • 空気感(エア)の付加: 10kHz以上の高域をシェルビングEQなどで緩やかにブーストすると、声に空気感や艶やかさを加えることができます。やりすぎるとノイズが目立ったり、不自然になったりするので注意しましょう。

ドラム(キック、スネア、ハイハット、シンバル)

ドラムは楽曲のリズムとグルーヴの土台です。各パーツのキャラクターを明確にし、迫力とまとまりのあるドラムサウンドを目指しましょう。

キック

使用例:

  • 重低音(サブベース): 40Hz~60Hzあたりは、キックの最も低い部分、いわゆる「サブベース」の帯域です。スピーカーによっては再生されにくいですが、クラブミュージックなどでは重要になります。必要に応じてブーストしますが、他の低音楽器との兼ね合いを見て調整します。
  • 胴鳴り・太さ: 80Hz~150Hzあたりは、キックの「ドッ」という胴鳴りや太さを感じる帯域です。こもりすぎている場合はカット、迫力が足りない場合はブーストします。ベースとの住み分けも重要です。
  • 箱鳴り・不要な響き: 300Hz~600Hzあたりに、段ボールを叩いたような「ボワッ」とした不要な響きが含まれることがあります。気になる場合はカットします。
  • アタック感: 2kHz~5kHzあたりは、ビーターがヘッドを叩く「カチッ」というアタック音の成分です。ここを少しブーストすると、キックの輪郭がはっきりし、ミックスの中で埋もれにくくなります

スネア

使用例:

  • ローカット(HPF): キックや他の楽器からの低音のかぶりを除去するため、80Hz~100Hzあたりからローカットします。
  • 太さ・胴鳴り: 150Hz~250Hzあたりが、スネアの「ドン」という太さや胴鳴りを司る帯域です。必要に応じてブーストまたはカットします。
  • スナッピー(響き線)の調整: 1kHz~3kHzあたりにスナッピーの「ジャリッ」とした成分が含まれます。抜けが悪い場合はブースト、うるさすぎる場合はカットします。
  • アタック・明るさ: 5kHz~8kHzあたりは、スティックがヘッドを叩くアタック音や、スネア全体の明るさに関わる帯域です。ブーストすると抜けが良くなりますが、やりすぎると耳に痛くなることがあります。

ハイハット、シンバル

使用例:

  • ローカット(HPF): 低音楽器のかぶりを防ぐため、200Hz~500Hzあたりから大胆にローカットすることが多いです。
  • 金属的な響き・耳障りなピーク: 1kHz~4kHzあたりに、耳障りな金属的な響きが含まれることがあります。気になる場合はピンポイントでカットします。
  • 刻みの明瞭度(ハイハット): 5kHz~8kHzあたりは、ハイハットの「チキチキ」という刻みの明瞭度に関わります。
  • 輝き・空気感: 10kHz以上をシェルビングEQでブーストすると、シンバル類に輝きや空気感を与えることができます。ただし、ノイズも一緒に持ち上がりやすいので注意が必要です。

ベース

ベースは楽曲の土台となる低音域を担当し、キックと共にリズムの根幹を支えます。キックとの棲み分けを意識し、安定感と輪郭のあるサウンドを目指しましょう。

使用例:

  • 超低域の整理: 40Hz以下は、エネルギーが大きい割には通常の再生環境では聴こえにくく、ヘッドルームを圧迫する原因になりがちです。思い切ってローカットすることも有効です。
  • キックとの棲み分け: ベースの最も重要な帯域は60Hz~150Hzあたりですが、ここはキックの胴鳴りとも重なります。どちらを目立たせたいかによって、一方を少しカットし、もう一方を少しブーストするなどの処理を行います。例えば、キックの80Hzを少しブーストし、ベースの80Hzを少しカットする、あるいはその逆など、相互補完的に調整します。
  • 芯・存在感: 200Hz~500Hzあたりは、ベースの音の芯や存在感に関わる帯域です。音がぼやけている場合に少しブーストしたり、逆に他の楽器とぶつかる場合にカットしたりします。
  • 輪郭・アタック感: 700Hz~2kHzあたりは、指弾きやピック弾きのアタック音、弦の振動による倍音成分が含まれ、ベースラインの輪郭や聞き取りやすさに影響します。ここを少しブーストすると、小型スピーカーでもベースラインが認識しやすくなります。
  • 高域のノイズカット: 3kHz以上は、ベース本体の音としてはあまり重要でないことが多く、弦のノイズやピックの擦れる音などが目立つ場合があります。必要に応じてハイカット(LPF)でカットします。

ギター(アコースティック、エレクトリック)

ギターはコード、リフ、メロディなど、楽曲の中で多彩な役割を担います。種類や役割に応じて適切なEQ処理を施しましょう。

アコースティックギター

使用例:

  • ローカット(HPF): 不要な低域ノイズや、ボディの鳴りすぎによるこもりを防ぐため、80Hz~120Hzあたりからローカットします。アルペジオなど軽いタッチの場合はもう少し高く設定することもあります。
  • ボディの鳴り・暖かみ: 150Hz~300Hzあたりは、アコギのボディ鳴りや暖かみに関わる帯域です。豊かさが足りない場合は少しブースト、こもりが気になる場合はカットします。
  • 箱鳴り感・濁り: 400Hz~800Hzあたりに、特有の箱鳴り感や濁りが生じることがあります。気になる場合はカットします。
  • 弦のきらびやかさ・アタック: 2kHz~5kHzあたりは、弦のきらびやかさやピッキングのアタック感に影響します。ブーストすると明るく抜けの良いサウンドになりますが、やりすぎると硬く耳障りになります。
  • 空気感: 10kHz以上をシェルビングで少しブーストすると、空気感や繊細さを加えることができます。

エレクトリックギター

使用例:

  • ローカット(HPF): 低音域が他の楽器とぶつかるのを防ぐため、100Hz~150Hzあたりからローカットすることが一般的です。特に歪み系ギターの場合は、低域が飽和しやすいので重要です。
  • 中低域の調整(モコつき): 200Hz~500Hzあたりは、ギターの音の太さに関わりますが、過剰だと「モコモコ」とした不明瞭なサウンドになりがちです。他の楽器とのバランスを見てカットすることが多い帯域です。
  • 中域のキャラクター(プレゼンス): 1kHz~4kHzあたりは、ギターのキャラクターや存在感を決定づける重要な帯域です。歪みギターの「ギャリッ」としたエッジ感などもこのあたりに含まれます。目立たせたい場合はブースト、他の楽器(特にボーカル)とぶつかる場合はカットします。
  • 高域の調整(耳障りな成分): 4kHz~8kHzあたりは、ギターの明るさやアタック感に関わりますが、歪みギターでは「ジリジリ」「キンキン」とした耳障りな成分が含まれることもあります。気になる場合はカットします。
  • ハイカット(LPF): 特に歪みギターの場合、不要な高周波ノイズを抑えるために、8kHz~12kHzあたりからハイカットすることもあります。

ピアノ・キーボード

ピアノやキーボードは非常に広い音域を持ち、コード、メロディ、伴奏など様々な役割を果たします。他の楽器とのバランスを取りながら、クリアで豊かなサウンドを目指しましょう。

使用例:

  • ローカット(HPF): 低音域がベースやキックと干渉するのを避けるため、また、低音弦の響きすぎによる濁りを防ぐため、80Hz~150Hzあたりからローカットします。楽曲におけるピアノの役割によって調整します。
  • 低域~中低域の濁り: 200Hz~500Hzあたりは、ピアノの響きが豊かになる帯域ですが、過剰だと濁りの原因になります。特にコード弾きの場合、他の楽器と合わせて聴きながら、必要であればカットします。
  • 明瞭度・アタック感: 2kHz~5kHzあたりは、ピアノのアタック音や輪郭、明瞭度に関わる帯域です。音が埋もれがちな場合に少しブーストすると効果的です。
  • 響き・空気感: 8kHz以上をシェルビングで少しブーストすると、ピアノの響きや空気感、華やかさを増すことができます。

シンセサイザー系の音色(シンセリード、シンセパッドなど)は、音色によって周波数特性が大きく異なります。基本的な考え方は他の楽器と同様ですが、オシレーターやフィルターで作られた特徴的な周波数成分を活かしたり、逆に他の楽器とぶつかる部分をカットしたりといった調整が必要になります。スペクトラムアナライザーなどを活用して、音色の特徴を把握しながらEQ処理を行いましょう。

EQを使った応用テクニック

基本的なEQの使い方をマスターしたら、さらに一歩進んだ応用テクニックにも挑戦してみましょう。

マスキング効果とその対策

マスキングとは、ある音が別の大きな音によって聴こえにくくなる現象のことです。特に近い周波数帯域を持つ楽器同士で起こりやすく、ミックスが不明瞭になる主な原因の一つです。

マスキングを解消するには、EQを使って各楽器の周波数的な「棲み分け」を行うことが重要です。例えば、ボーカルとギターが中域でぶつかっている場合、ボーカルの重要度が高い帯域(例:2kHz~4kHz)を少しブーストし、同じ帯域のギターを少しカットするといった、「譲り合い」のEQ処理が有効です。どちらか一方だけを調整するのではなく、相互に補完するように調整するのがコツです。

ダイナミックEQの活用

ダイナミックEQは、入力信号のレベルに応じてEQのゲインが変化するタイプのEQです。特定の周波数帯域が、ある音量を超えたときだけカット(またはブースト)するといった、より高度な処理が可能です。

使用例:

  • ボーカルの特定の母音だけが強く響いてしまう場合に、その帯域をダイナミックEQで抑える。
  • スネアのアタック時だけ高域が耳に痛い場合に、その瞬間だけ高域をカットする。
  • ベースの特定の音程だけがブーミーになる場合に、その帯域をダイナミックEQで抑える。

通常のEQでは難しい、瞬間的な問題や、演奏によって変化する問題に対処するのに非常に有効なツールです。

MS処理によるステレオ感の調整

MS処理対応のEQを使うと、ステレオ信号をMid(センター成分)とSide(左右の広がり成分)に分けて、それぞれに異なるEQ処理を施すことができます。

使用例:

  • Side成分のローカット: ステレオ音源の左右に広がっている不要な低域成分をカットすることで、センターの低域(キックやベース)をよりクリアにし、ミックス全体の低域の定位感を安定させます。
  • Side成分のハイブースト: 左右に広がっている高域成分(シンバル、リバーブ成分など)をブーストすることで、ステレオ感を強調し、ワイドな印象を与えることができます。
  • Mid成分の調整: センターに定位するボーカルやスネアなどの明瞭度を上げるために、Mid成分の中高域を調整します。

MS処理は、ミックスのステレオイメージをコントロールする上で非常に強力なテクニックです。

おすすめEQプラグイン紹介

多くのDAWには標準で高性能なEQが付属していますが、より多機能なものや、特定のアナログ機器をモデリングしたものなど、サードパーティ製のEQプラグインも多数存在します。いくつか定番のものを紹介します。

  • FabFilter Pro-Q 3: 高機能かつ高音質で、非常に使いやすいインターフェースを持つ定番のデジタルEQ。ダイナミックEQやMS処理、リニアフェイズモードなども搭載し、あらゆる場面で活躍します。FabFilter Pro-Q 3 公式サイト
  • Waves SSL G-Equalizer: 名機Solid State Logic (SSL) 4000シリーズコンソールのチャンネルEQをモデリングしたプラグイン。独特のカーブとサウンドキャラクターを持ち、特にロックやポップス系のミックスで重宝されます。Waves SSL G-Equalizer 公式サイト
  • Universal Audio Pultec EQP-1A: 伝説的な真空管EQ「Pultec EQP-1A」をモデリングしたプラグイン。独特のブースト/カットカーブを持ち、特に低域や高域に音楽的な温かみや艶やかさを加えるのに優れています。Universal Audio Pultec Passive EQ Collection 公式サイト

これらはほんの一例です。様々なEQプラグインを試してみて、自分の好みや用途に合ったものを見つけるのもDTMの楽しみの一つです。

まとめ

今回は、DTMにおけるEQの基本から楽器別の実践テクニック、応用編まで幅広く解説しました。

  • EQは周波数、ゲイン、Qをコントロールして音色を調整するツール。
  • 基本は「カット」から考え、ミックス全体で判断する。
  • 過度なブーストは避け、位相にも注意する。
  • 各楽器の特性を理解し、周波数的な棲み分けを意識する。
  • ダイナミックEQやMS処理などの応用テクニックも活用する。

EQを使いこなすには、知識だけでなく、たくさんの音源を聴き、実際に手を動かして試行錯誤する経験が不可欠です。この記事で紹介したテクニックや周波数帯の目安を参考に、ぜひご自身のミックスに取り入れてみてください。

最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、諦めずに色々な方法を試し、自分の耳を鍛えていくことで、必ずEQはあなたの強力な武器になります。あなたのDTMライフがより豊かでクリエイティブなものになることを願っています!

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